【四字熟語】
哀矜懲創
【読み方】
あいきょうちょうそう
【意味】
懲罰を与えるにしても、相手を思いやる情が必要であること。
「罪を悪んで人を悪まず」の心で懲らしめること。
【語源・由来】
「哀矜」は悲しみ哀れむこと、「懲創」はこらしめることを意味します。特に、「哀矜」は同情する、不憫に思うことで、「矜」には「あわれむ」という意味があります。
【典拠・出典】
蘇軾「刑賞忠厚之至論」
【英語訳】
・punish kindly
・discipline with pity
哀矜懲創(あいきょうちょうそう)の使い方
あれ?僕のシュークリームしらない?おやつのシュークリーム、冷蔵庫に入れてたはずなのに、ないんだよ!
あ、あれ、私食べちゃったわ!
ええー!そんなぁぁ!
人には哀矜懲創が必要よ。まぁいいじゃないの。
哀矜懲創(あいきょうちょうそう)の例文
- どんな事件であっても、その裁判官は哀矜懲創を貫いた。
- 罪を裁く者は哀矜懲創の精神をもって事件に当たるべきだ。
- 自分の身内に被害者がいたら、哀矜懲創などできるだろうか。
- さすが大岡越前、哀矜懲創で事件を納めている。
まとめ
この四字熟語は「省試刑賞忠厚之至論」中の書経、呂刑に登場します。「皇帝は庶戮の不辜なるを哀矜(あいきょう)し、虐に報ずるに威を以てし、苗民を遏絶(あつぜつ)して世をつぎ下に在ること無からしむ」。
また、「聖人の、刑罰を制するは、罪過を懲創する所以にして、人を死せしむるを要もとむるに非ざるなり」ともあります。「皇帝は無辜(むこ)なる人々をあわれに思い、三苗氏を討伐し、三苗氏が治めていた地を継いで人々の喘ぎを救った」さらに「刑罰を与える者は罪を懲らしめるのであって、人を死に追いやるものではない」という意味です。
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉通り、罰は本来、その罪を反省し、心を入れ替えるためのもの。だからこそ、罪を償ったのちに人として生きて行けるように、断罪する者・罰を与える人は、犯罪者・罪を犯した相手を思いやる心を持って臨むことが大切であるという戒めとなるのです。
懲罰は誰が誰に行うものでしょうか。人が人を断罪し、懲罰するのですから、とても重い行為です。そこに求められるのは温情ある判決。罪を犯した者もまた、人間であるという事なのでしょう。