唯唯諾諾の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【四字熟語】
唯唯諾諾
【読み方】
いいだくだく
【意味】
少しも逆らわずに他人の言いなりになること。
それがええことなのか悪いことなのか考えずに、ただ相手の言う通りになってしまうんやな。
これは、「自分で考える大切さ」を教えてくれる言葉やで。
【語源・由来】
「唯」には「ただ」「ひたすら」という意味のほか、すぐに「はい」と返事をする意味があり、「唯唯」は「はいはい」とすぐに返事をすることを表す。
「諾」は自分の意見を持たず、引き受けることを意味する。
【典拠・出典】
『韓非子』「八姦(はちかん)」
【類義語】
・付和雷同(ふわらいどう)
・百依百順(ひゃくいひゃくじゅん)
【英語訳】
with acquiescence
唯唯諾諾(いいだくだく)の解説
「唯唯諾諾」っていうのは、何でもかんでも「はいはい」と言って従う様子を示すんだよ。他の人が何を言っても、それがいいことなのか悪いことなのか問わず、ただただ従ってしまうさまを言うんだよ。
「唯」と「諾」、この二つの言葉はどちらも「はい」っていう意味があるんだ。だから、「唯唯諾諾」っていうと、「はいはい」とだけ答えて人の言うことに従ってしまうことを表しているんだね。例えば、「唯唯諾諾として命令に服している」っていう時は、「ただただ命令に従っている」っていう意味になるよ。
この言葉の出どころは、『韓非子』っていう古代中国の本で、そこにはこんな文があるんだ。「役者や道化師、従者や付き人などは、主人が何も言わないうちにすでに「はい」って言ってしまい、何も頼まれてないのに「はい」って言ってしまう。主人の意向に先回りして、主人の気持ちに合わせようとし、主人の顔色や様子を見て、主人の心に先回りしようとする者たちである」。これが「唯唯諾諾」の元々の意味なんだよ。
唯唯諾諾(いいだくだく)の使い方
唯唯諾諾(いいだくだく)の例文
- 私は心をよせている彼女のちょっと申し訳なさそうな申し出に、唯唯諾諾として従うしかなかった。
- 一人の男に心酔(しんすい)し、唯唯諾諾とすべてを受け入れている彼らの姿はとても異様な光景に見えた。
- 敵対していた相手からの提案にもかかわらず、唯唯諾諾として受け入れた彼の本心がどこにあるのか、全くわからなかった。
- 本来群れることを嫌う彼女が、女子会への誘いに唯唯諾諾と参加した裏面には、いったいどのような心境の変化があったのだろう。
- 当時上司の命令は絶対で、少しの疑問もはさむことすらできず、誰もが唯唯諾諾と従っていた。
唯唯諾諾の文学作品などの用例
- 自分が、心をかけるとどの女も、唯々諾々として自分の心のままに従った。<今東光・竹の子抄>
- 自分は意志も判断も何も無い者の如く、ただメソメソ泣きながら唯々諾々と二人の言いつけに従うのでした。〈太宰治・人間失格〉
それが良いことなのか悪いことなのか考えずに、ただ相手の言う通りにする、そんな様子を表しているよ。