陶潜(とうせん)は、365頃から427年にかけての東晋の詩人で、潯陽柴桑(江西省九江市)出身。字は淵明(えんめい)といい、一説には名を淵明、字を元亮とする。彼は東晋の大将軍、陶侃の曾孫として生まれたが、その時代には家族は没落し、若い頃に官職に就いたものの、官途の束縛や官界の汚濁を厭って、41歳で彭沢県の県令を最後に官界を退きました。その後は郷里の農村や廬山で、田園の自然を愛しながら酒を楽しむ生活を送りました。
陶潜は、隠士のような生活を背景に、飾らず深い思索が詰まった詩を残しました。特に自然との共生や理想の生活を描いた作品が多く、彼の詩は後の世に大きな影響を与えました。彼は自然詩人の先駆として知られ、特に《帰去来兮辞》や《桃花源記》などの作品は広く知られています。彼の作品は《陶淵明集》として5巻にまとめられています。後世では六朝時代の第1の詩人として評価されています。