一張一弛の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【四字熟語】
一張一弛
【読み方】
いっちょういっし
【意味】
ある時には締め、ある時には緩めること。
上司または教育者の心得で、時には厳格に、時には寛大に程よく人に接するべきこと。
厳格にしたり寛大にしたりすることや、盛んになったり衰えたりすること。
また、現在では取引所の用語として、相場が小幅に高下を繰り返すことも表します。
ちょうど、お笑いの舞台で緊張して笑いをとる時と、裏でゆっくり休憩する時のようなもんや。
これは、適切に気持ちを切り替えることの大切さを教えてくれる言葉やで。
【語源・由来】
故事としては、聖天子といわれる周(B.C.1046年頃~B.C.256)の文王や武王が政治を行うのに、「民心を緊張させて働かせるばかりでは文武二王でも政治はできない。また緩めるばかりで緊張感がないというのも文武二王は採用しない。
結局、ある時は張りある時は緩めるのが文武二王の政道である。」として人民に、時には厳格に接し、時には寛大に接して心を緩やかにさせ、程よく人民に接して太平をもたらしたことによります。
【典拠・出典】
『礼記』「雑記下」
【類義語】
・緩急自在(かんきゅうじざい)
・一弛一張(いっしいっちょう)
【英語訳】
tension and relaxation
一張一弛(いっちょういっし)の解説
「一張一弛」っていうのは、文字通り、弦をキツく張ったり、ゆるめたりすることを指すんだよ。でも、この言葉の意味はもっと深いよ。実は、人との接し方にも使うんだ。時々、厳しくなったり、また別の時には優しくなったり、ちょうどいい感じで人と関わることを意味しているんだ。政治家や上司、先生とかも、この「一張一弛」の考え方で、時には厳しく、時には優しく、ちょうどいい塩梅で人と接するのがいいんだって。
実は、昔の偉い人、周の文王や武王って人たちが、国を治める時、国の人々にちょうどいい感じで接して、国を平和にしたっていう話が元になってるんだよ。それに、今の時代では、株やお金の話で、価格がちょっとずつ上下することを指す時にも使われてるんだ。
ちなみに、この言葉の出どころは、『礼記』っていう古い本の中にある「雑記下」という部分なんだよ。
一張一弛(いっちょういっし)の使い方
どうして1組だけがクラス全員先生の言うことを聞くのかなあ。
時には厳しく、時には優しく、一張一弛に生徒に接しているからという話だよ。
でもうちの先生も良い先生だよ!
一張一弛(いっちょういっし)の例文
- 今までの歴史の実証するように国際関係は常に安定するということではなく、一張一弛の繰り返しであることも忘れてはいけない。
- 時には優しく、時にはきびしく、一張一弛のマネジメントは大事ですが、その前提としての信頼がなければ、そもそもうまくいきません。
- 大国の新しい大統領が就任して以来、彼の発言で株式市場は一張一弛の大きな動きを見せている。
- 一張一弛の見事な人心掌握だ。
一張一弛の文学作品などの用例
- しかれども一たび活眼を開て大観すれば、一張一弛は人道の常にして、<中江兆民・一年有半>
これは、心の中で、時には集中や緊張を保ち、時にはリラックスすることを意味しているんだ。
また、厳しいことと優しいことをバランスよく示すこと、または物事が盛り上がったり下がったりすることを表しているよ。