画竜点睛の意味(故事・出典・類義語)
【四字熟語】
画竜点睛
「点睛」を「点晴」と書いたり、 「欠く」を「書く」や「描く」とするのは誤りですので気をつけましょう。
【読み方】
がりょうてんせい
「がりゅうてんせい」とも読む。
【意味】
物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げのたとえ。また、物事の最も肝要なところのたとえ。文章や話などで肝心なところに手を入れて、全体をいっそう引き立てるたとえ。
【典拠・出典】
『歴代名画記』
【類義語】
・点睛開眼(てんせいかいがん)
画竜点睛(がりょうてんせい)の故事
カンタン!解説
画竜点睛(がりょうてんせい)の使い方
あーあ、失敗した・・・・・・
どうしたの? 浮かない顔して。
この前、美術で写生したんだけど、東京タワーを描くのを忘れちゃったんだよ。
あら、まさかテーマは?
お察しの通り「東京タワー」さ。画竜点睛を欠く、とはまさにこのことだよ。
画竜点睛(がりょうてんせい)の例文
- 贋作には、観た者が画竜点睛の感をぬぐえない、致命的な何かがある。
- 私はその作家の老いを、画竜点睛を欠いた作品の中に感じた。
- その一行があったがために、その作品は画竜点睛を欠くものになったのだ。
- これは彼らしくない。まるで画竜点睛を欠いている。
- そこをキチンと仕上げなくては、画竜点睛を欠いてしまうんだよ。
画竜点睛の文学作品の用例
- 所が此好奇心が遺憾なく満足されるべき画竜点睛の名前迄愈読み進んだ時、自分は突然驚いた。<夏目漱石・手紙>
昔、中国六朝時代(約1800年〜1400年前)の有名な画家・張僧繇が、金陵という町の安楽寺の壁に四匹の竜の絵を描きました。
しかし、どの竜にも睛が描かれていなかったため、人々は不思議に思い、その理由を尋ねました。張僧繇は「睛を入れると竜が飛び去ってしまうからだ」と説明しましたが、誰も信じませんでした。
そこで、人々の求めに応じて、試しに二匹の竜 (=画竜)に睛を描き入れる(=点睛)と、突然雷鳴が響き、黒い雲が立ち込めました。そして、二匹の竜は壁を突き破り、天に昇っていきました。
睛を入れられなかった残りの竜は、今も南京市のお寺の壁に絵のままで残っているということです。