「自暴自棄」の意味とは?(出典・対義語)
【四字熟語】
自暴自棄
【読み方】
じぼうじき
【意味】
自らその身を損ない、自らその身を棄てること。やけくそになること。
【典拠・出典】
『孟子』「離婁・上」
【対義語】
・自重自愛(じちょうじあい)
【英語訳】
desperation
despair
self-abandonment
self-negligence
His wife’s death drove him desperation.
妻を亡くして、彼は自暴自棄になった。
自暴自棄(じぼうじき)の故事
【故事】
孟子はこう言いました。「自分自身をだめにする人間とは共に語ることはできない。自分自身を捨てるような人間とは共に何かをすることはできない。その言葉で礼儀をそしる者、これを自暴と言う。自分自身を仁の中に置いたり、義に基づくことができない者、これを自棄と言う。仁とは安心して住める家のようなものである。義とは人が正しく歩める道のようなものである。その家を空き家にして住まず、その道を捨てて歩まないとはなんと哀れなことだろうか」
昔々、中国の賢い人、孟子という人がこんなことを言ったんだ。「自分をだめにしてしまう人とは話ができないよ。自分を捨ててしまう人とは一緒に何かをすることはできないよ。」
「自暴」とは、自分の行動で自分をだめにすること。「自棄」とは、自分を大切に思わないで捨ててしまうことだよ。孟子は、人間が大切にすべきは「仁」と「義」だと言っていたんだ。「仁」は人間が安心して住むことができる家のようなもの。「義」は人間が正しく歩くことができる道のようなものだとね。
だから、自分自身を大切にしないで、自分をだめにしてしまったり、自分を捨ててしまう行動は、自分の「家」を空き家にしてしまったり、「道」を捨ててしまうようなものなんだ。それって、とても悲しいことだよね。そんな考え方から「自暴自棄」という言葉が生まれたんだよ。
だから、どんなに困ったことがあっても、「自暴自棄」にならないで、自分を大切にすることが大切なんだよ。
自暴自棄(じぼうじき)の使い方
自暴自棄(じぼうじき)の例文
- 余命宣告を受けて自暴自棄になったのか、止められていたタバコを彼はまた吸っているようだ。
- 自暴自棄になったところで何も変わりはしない。それどころか、却って事態を面倒にするだけだよ。一度頭を冷やして冷静になった方がいい。
- 失うことなど何もないと犯罪に走るのは自暴自棄に他ならない。
- 確かに、こうも不幸が続くと気の毒としか言いようがない。君が自暴自棄になる気持ちは良くわかるけれど、こんなことをしていたって君にとってなんの特にもならないだろう。
- ちょっと仕事につまずいたぐらいで自暴自棄になるなんて、甘えている証拠だ。