【四字熟語】
暗澹冥濛
【読み方】
あんたんめいもう
【意味】
暗くてはっきりせず先が見えないようす。前途に希望のないことのたとえ。
【語源・由来】
「暗澹」・暗くて静かなようす。
将来への希望などを失って暗い気分でいるさま。また、見通しがつかず悲観的なさま。「冥濛」くもってくらいこと。
【典拠・出典】
-
【類義語】
・陰隠滅滅(いんいんめつめつ)
・晦渋混濁(かいじゅうこんだく)
・如法暗夜(にょほうあんや)
【英語訳】
dark
gloomy
dark,gloomy はともに憂鬱、希望のないという意味で使われます。
英語例文
彼女は暗澹たる思いでいた。She was in a dark feeling.
彼は仕事を失った後、とても気持ちが落ち込んでいた。He felt very gloomy after losing his job.
英語例文
彼女は暗澹たる思いでいた。She was in a dark feeling.
彼は仕事を失った後、とても気持ちが落ち込んでいた。He felt very gloomy after losing his job.
暗澹冥濛(あんたんめいもう)の使い方
健太くん、ずいぶん落ち込んでいるみたいだけど何かあったの?
ともこちゃん…まさに暗澹冥濛の極みだよ。
あんなにみんなで練習してきたのに、あと一歩届かなかったなんて。
あんなにみんなで練習してきたのに、あと一歩届かなかったなんて。
そうだったの。残念だけど来年、後輩たちに託すしかないわね。
うん。ともこちゃんの言う通りだね。
暗澹冥濛(あんたんめいもう)の例文
- それは当事者だけに限らず周囲の人々へも広がり、暗澹冥濛する人々でうめつくされていった。
- 高校入学から3年間、希望する大学へ進学のためすべてを注ぎ込んで努力してきたのに、不合格の報せを受けたとたん彼は暗澹冥濛という風情であった。
- 皆が笑っているのは良い光景であるはずなのに、それを見ている彼女だけはなぜか、暗澹冥濛としているようだった。
- 私は彼女の悲嘆にくれるようすをながめながら、きっとどんな慰めの言葉をもってしても心までは届かないのだろうと、彼女とともに暗澹冥濛するしかなかった。
- 化学工場で爆発事故発生の一報を受け、ただちに出動した消防隊員たちは、目の前に広がる悲惨な光景に暗澹冥濛しながらも果敢に炎に立ち向かっていった。
まとめ
暗澹冥濛という熟語を見るのは初めてという方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは、「悲観的」や「失望する」、「気分が落ち込む」といったわかりやすい言葉に置き換えられ、わざわざ難しい表現にする必要もないからでしょう。
とはいえ、夏目漱石の『吾輩は猫である』の中ではこの熟語が使用されています。
名著を読むにはこういった熟語の意味を知らないといけない。悩ましいですね。