一衣帯水の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【四字熟語】
一衣帯水
【読み方】
いちいたいすい
【意味】
狭い海峡や小さな川を隔てて、近接していること。極めて密接な関係。
細長い川や海峡のように、ちょっとした隔たりがあるだけで、実際はものすごく近いんやな。
これは、「ちょっとだけの隔たりがあっても、近い関係」を表す言葉なんやで。
【語源・由来】
隋の文帝が南朝陳の悪政を見て、討伐を思い立ったときのことば。「我、百姓の父母たり。豈に一の衣帯の水を限りて、之を拯けざるべけんや。(私は人民の父母である。帯の様な一本の川(長大な揚子江)の隔たりがあるというだけで、どうして彼らを救わずにいようか)」という故事に基づく。
【典拠・出典】
『南史』「陳後主紀(ちんこうしゅき)」
【類義語】
・衣帯一江(いたいいっこう)
・衣帯之水(いたいのみず)
・一牛吼地(いちぎゅうこうち)
・一牛鳴地(いちぎゅうめいち)
【英語訳】
narrow channel、narrow strait
英語例文
両国は一衣帯水の距離にある。the two countries are separated by only a narrow strip of water.
一衣帯水(いちいたいすい)の解説
「一衣帯水」っていうのは、細長い川や海峡をイメージする言葉なんだよ。でも、この言葉は、直訳だけじゃなくて、もう一つの意味もあるんだ。
それは、「二つのものがすごく近いけど、ちょっとだけ隔たりがある」っていう意味なんだ。例えば、二つの国がすごく近いけど、ちょっとだけ海峡が間にある、そんな状態を表すんだ。「一衣帯水の地」と言ったら、その場所が別の場所とすごく近いけど、ちょっとだけ何かが間にある、という意味になるよ。
ちなみに、「一衣帯水」の「衣帯」は、服の帯を指していて、細長いものをイメージするんだ。「水」は、川や海のことを指してるんだよ。そして、この言葉の出どころは、『南史』の中の「陳後主紀」っていう部分から来ているんだよ。
一衣帯水(いちいたいすい)の使い方
一衣帯水(いちいたいすい)の例文
- 中国と日本は一衣帯水の隣国であり、歴史的、文化的なつながりも深い。
- 隣県と川をはさんで一衣帯水、困った時には助け合って行かなければならない。
- 一衣帯水の隣国であり、その間には様々な分野において密接な交流が行われてきた。
- 市川は千葉県ですが東京とはわずか一衣帯水ほどの隔たりしかありません
- 島に医療施設がなく一衣帯水の隣村に診療にいく。
一衣帯水の文学作品などの用例
- 一衣帯水をなしているその対岸の島には、岡の麓に民家が一軒もなかった。<井伏鱒二・さざなみ軍記>
また、この言葉は比喩的に使われて、二つのものがごく少しの差で非常に近い関係にあることを表すんだ。