【四字熟語】
慧可断臂
「断」の旧字体は「斷」
【読み方】
えかだんぴ
【意味】
非常に強い決意のほどを示すこと。また、切なる求道の思いを示すこと。
【語源・由来】
「慧可」は中国南北朝時代後期の高僧。禅宗の第二祖。
「断臂」は臂(ひじ)、もしくは腕を切り落とすこと。
禅宗の高僧慧可は、嵩山(すうざん)の少林寺にいた達磨(だるま)に教えを請うたが、達磨は面壁(めんへき)するばかりであった。
慧可はある大雪の夜、雪の中に立って自分の左臂を切り落として求道の決意のほどを示し、それによって教えを授けられたという。
入門を断られていたが、左臂を切り落として決意のほどを示し、それにより認められたという故事から。
<画題として>
雪舟(せっしゅう)の「慧可断臂」図
雪舟(せっしゅう)の「慧可断臂」図
【典拠・出典】
『続高僧伝』「一六」
【類義語】
・立雪断臂(りつせつだんぴ)
・不惜身命(ふしゃくしんみょう)
・磨穿鉄硯(ませんてっけん)
【英語訳】
・Very strong determination
・desire to master the road by all means
慧可断臂(えかだんぴ)の使い方
どうしても行くの?
ああ! 先輩のクビを撤回してもらう交渉に行ってくるよ。 そのためなら僕も会社を辞めてもかまわないんだ!
馬鹿ね・・・男の人って・・・まあ、そういう慧可断臂の覚悟を決めたあなたも素敵だけど・・・。
どうしても僕の決意を見せたいんだ。行ってくるよ。
慧可断臂(えかだんぴ)の例文
- 忠義の証を見せるためには、慧可断臂に近づく自己犠牲の精神を見せなければならない。そのためにお毒見役を買ってでた。
- あるアイドルに自分の存在を分かってもらうために、自分の指を切り落として送ったという熱狂的なファンがいたな。誠意を見せるための慧可断臂だなんて言ってたけど、全然違うよな。迷惑行為だよ。
- その道を追求するためなら、先人を見習い慧可断臂できる覚悟があるのかどうか。自分のやる気を再確認した。
- まいったな。もう弟子は取らないと言っていたのに。慧可断臂のような覚悟を見せられては、弟子入りを許すしかないじゃないか。
まとめ
故事から出た四字熟語である。
慧可(えか)が教えを請うた達磨(だるま)は、左臂(ひじ)を切り落とした慧可の中に決意を見て弟子入りを許したのか。
それとも根負けしたのか・・・。
考えさせられる逸話である。