【四字熟語】
臥薪嘗胆
【読み方】
がしんしょうたん
【意味】
目的を達成するために機会を待ち、苦労を耐え忍ぶこと。
【語源由来】
薪(たきぎ)の中に寝て、苦い胆を嘗めることの意味。春秋時代、呉王夫差は、父の仇を忘れないために、薪の上で寝ることにより自分自身を苦しめ、その屈辱と志を忘れないようにして、越王勾践を破った。また、敗れた勾践も苦い獣の胆をなめることにより、その復讐心を忘れないようにして、その後、見事に呉王夫差を打ち破った。
【典拠・出典】
『史記』「越世家」,『十八史略』「春秋戦国」
【類義語】
・坐薪懸胆(ざしんけんたん)
・漆身呑炭(しっしんどんたん)
・呑炭漆身(どんたんしっしん)
【英語訳】
・going through thick and thin to attain one’s objective
・enduring unspeakable hardships for the sake of vengeance
・Perseverance under difficulties
臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の使い方




臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の例文
- 5年もの臥薪嘗胆の末、彼女は彼女を陥れた課長の椅子を奪回した。
- そこまでの深い執着と事の成就はまさに臥薪嘗胆に等しかった。
- 辛苦にくじけそうになったものの、頭をかすめた臥薪嘗胆の文字に気持ちを奮い立たせた。
- これまでの臥薪嘗胆の思いを、今こそここで成就しようではないか。
- 長きにわたる臥薪嘗胆が、彼女の風貌を一変させていた。
まとめ
【臥薪嘗胆】は「春秋時代、越王の勾践に敗れた父である呉王・闔盧の敵を討つため、夫差は毎夜薪の中に寝ては仇討ちの心をかきたてた。三年後、ついに会稽山で勾践を降伏させたが、勾践は復讐の念を忘れないため苦い胆をなめ、苦難の末に夫差を打ち破った」の故事に基づく四字熟語です。
この故事にある通り、深い怨念を晴らすという強い意志が根底にあり、さらにそれを忘れないために自分に苦痛を与えるという重い言葉だったのですね。
現在では「目的達成のために苦労や辛苦を重ね、チャンスを待つ」くらいの意味になったとは言え、この由来を知れば、どういったシチュエーションに使われるべきかがわかります。
四字熟語は、由来なども正しく知り、効果的に使いたいものですね。