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呉越同舟【ごえつどうしゅう】の意味と使い方や例文(故事・出典・類義語・英語訳)

呉越同舟

呉越同舟の意味(故事・出典・類義語・英語訳)

意味

【四字熟語】
呉越同舟

【読み方】
ごえつどうしゅう

【意味】
敵同士が、同じ場所に居合わせたり。協力したりすること。

四字熟語の博士
「呉越同舟」という四字熟語は、普段は仲が良くない人たちが同じ場所や状況に置かれ、一緒に行動することを表しているんだよ。
また、普段は仲が悪いけれど、困難な状況を乗り越えるためには一時的に協力し合う、という意味も含まれているんだ。
助手ねこ
つまり、「普段は仲が悪いけど、同じ船に乗って一緒に行動しなあかん状況」ってことやな。
そして、普段は反目しながらも、厳しい状況を乗り切るためには、一時的にでも協力し合うねんな。
これは、「仲が悪いけど、困難を乗り越えるために協力する大切さ」を教えてくれる言葉やで。

【典拠・出典】
『孫子』「九地」

【類義語】
・楚越同州(そえつどうしゅう)
・同舟共済(どうしゅうきょうさい)
共同戦線(きょうどうせんせん)
大同団結(だいどうだんけつ)

【英語訳】
bitter enemies in the same boat、Friend and foe in the same boat

例文 ライバル同士がホテルで呉越同舟でした。
The opposing teams shared the same hotel.

呉越同舟(ごえつどうしゅう)の解説

カンタン!解説
解説

「呉越同舟」っていうのは、普段は仲が悪い人たちや、敵と味方が一緒の場所や状況になることを指すんだよ。
なんとなーく、ふつうならば絶対に一緒にいたくない人たちが、何かの事情で一緒に行動しなきゃいけなくなるような状況を想像してみて。

でもね、普段は仲が悪い人たちでも、同じ大変な状況になったり、同じことを目指していたりすると、なんだかんだで助け合ったり協力したりすることもあるんだ。それを「呉越同舟」っていうんだよ。

「呉」と「越」は、中国の春秋時代に実在した国の名前で、それぞれの国は長い間敵対していたんだって。
でもこの四字熟語は、そんな仲の悪い二つの国が一緒になって何かを乗り越える、っていう意味を持つんだよ。
出典は『孫子そんし』っていう古い中国の戦術書から来ているよ。

呉越同舟(ごえつどうしゅう)の故事

【故事】
春秋時代、敵同士の呉と越の人でも、乗り合わせた舟が嵐で転覆しそうになれば互いに協力し合うだろうという孫子の言葉からきている。

故事を簡単に説明!
カンタン!解説

「呉越同舟」の由来は、古代中国の春秋時代しゅんじゅうじだいの話から来ているよ。

その頃、揚子江ようすこうの下流にはえつという二つの国があって、二つの国はいつも戦争をしていたから仲がとても悪かったんだ。でも、揚子江ようすこうを渡るためには船を使うしかなかったから、の人とえつの人がたまに同じ船に乗ることがあったんだよ。

そのような時には、普段は敵対している彼らもけんかはしなかったんだ。つまり、普段は敵でも一緒に船に乗るときは平和に過ごしていたのが「呉越同舟」の由来となっているんだよ。だから、この言葉は「普段は仲が悪い人たちが同じ場所にいること」や「敵同士が一緒に困難な状況を乗り越えること」を表すようになったんだよ。

呉越同舟(ごえつどうしゅう)の使い方

健太
今週の漫画見た?まさか主人公とライバルが共通の敵に協力して戦って勝つなんてびっくりしたね!
ともこ
あの2人はいつも顔を合わせるたびに喧嘩していたからね。
健太
呉越同舟ってやつだね!お互いの敵が同じだったから協力出来たんだね。
ともこ
この共闘で2人の関係が少しでも改善されるといいね。きっといいコンビになると思うわ。

呉越同舟(ごえつどうしゅう)の例文

例文
  1. 与党と野党は国家を脅かす脅威について呉越同舟しなければならない。
  2. 彼と彼のライバルが同じバスに乗っているなんて呉越同舟だな。
  3. 仲の悪い国の大統領同士がゴルフをしてるのは呉越同舟であるといえる。
  4. 選挙のために異なっている政策を掲げている両党は呉越同舟した。
  5. あの仲の悪い2人が呉越同舟をして挑んでいるのをみて感極まった。
  6. お互いの悪口を言っていたバンドが同じ野外フェスに出るのは呉越同舟です。
  7. 苦手な人と呉越同舟で同じプロジェクトに参加したが、意外にいい人かもしれない。

呉越同舟の文学作品などの用例

  1. 酒場では呉越同舟でありたい。仲のいい客同士ならなおいい。<山口瞳・諸君!この人生、大変なんだ>
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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