【四字熟語】
因循姑息
【読み方】
いんじゅんこそく
【意味】
古い習慣ややり方にとらわれて改めようとせず、その場しのぎに終始するさま。
【語源・由来】
「因循」は「因り循う」(よりしたがう)と訓読みし、古くからの習慣・方法を守っているだけで、積極的に改めようとしない様子を意味します。それから派生してぐずぐずしていて決断が付かない様子を意味するようになりました。
「姑」は「ちょっと」、「ほんの少し」を意味し、「息」は「それでいい」を意味します。
【典拠・出典】
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【類義語】
・因循苟且(いんじゅんこうしょ)
・萎靡因循(いびいんじゅん)
【対義語】
・熟慮断行(じゅくりょだんこう)
・直情径行(ちょくじょうけいこう)
【英語訳】
・indeterminateness
・indefiniteness
・indetermination
・indeterminacy
・indefinity
因循姑息(いんじゅんこそく)の使い方
それにしても傷も目立たないもんだな。
一体どうしたの?
学校の石こう像の鼻を過って折っちゃったんだけど、接着剤がないしメンディングテープ止めしたら傷も目立たないからこれでいいかと思って。
そんな因循姑息な手では必ず化けの皮が剥がれるわよ。ちゃんとやり直した方がいいわ!
因循姑息(いんじゅんこそく)の例文
- そんな因循姑息なやり方では、部下は付いて来やしないぞ。
- 彼は本来、因循姑息な人格であったため、窮地に立った今もこの有様なのだ。
- 因循姑息な方法で対処した結果、株主達は一斉にそっぽを向いた。
- なんて因循姑息な人間なんだ、君は。
- トップの因循姑息な態度こそ、企業を衰退させる原因である。
まとめ
この四字熟語は「姑息」の熟語で知っている方も多いのではないでしょうか。古いしきたりや因習にとらわれて、土壇場に立たされてもなかなか決断できない様子を示すこの熟語には、あとで大ごとになるに違いない事でも、その場しのぎでやり過ごそうとする様子が描かれています。
将棋の世界では、勝利のためにあらゆる手段を盤面に映すと言われ、棋士は最善の手を常に考えていると言います。
指した手がひどいものだと「悪手」と言われるのですが、この四字熟語にあるのは「悪手」も「悪手」。時間をかけてみたものの、最善策を考えたものとは言えなさそうです。
時間をかければ陳腐化、マンネリ化した因習を打開できるものでもありません。さらに、人は決断を下すその瞬間も常に見られていることを忘れてはいけないようです。