朝三暮四(ちょうさんぼし)の意味とは?(出典・類義語)
【四字熟語】
朝三暮四
【読み方】
ちょうさんぼし
【意味】
目の前の違いに心を奪われて、結果が同じになることに気がつかないこと。また、ことば巧みに人をだますこと。
【類義語】
・朝四暮三(ちょうしぼさん)
・三百代言(さんびゃくだいげん)
朝三暮四(ちょうさんぼし)の故事
【故事】
宋の狙公(そこう)が飼っていた猿に橡(とち)の実を与えるとき、朝に三つ、夕方に四つやろうと言うと怒ったので、それなら朝に四つ、夕方に三つやろうと言うと大喜びしたという、『列子』『荘子』にある寓話に基づく。
故事を簡単に説明!
朝三暮四(ちょうさんぼし)の使い方
ちょっと!この前貸した500円、まだ返ってきてないんだけど!
あ、ごめん。忘れてた。
お詫びに、500円返すかわりに、明日、学校の隣のカフェで期間限定のスペシャル抹茶ラテおごるよ。
お詫びに、500円返すかわりに、明日、学校の隣のカフェで期間限定のスペシャル抹茶ラテおごるよ。
本当~!?やった~!!
期間限定のスペシャル抹茶ラテ、飲みたかったんだよね~。
期間限定のスペシャル抹茶ラテ、飲みたかったんだよね~。
(その期間限定のスペシャル抹茶ラテ、500円なんだけどね。これこそまさに、朝三暮四だなあ。)
朝三暮四(ちょうさんぼし)の例文
- 彼女はこの前買い物に行った時に、おばさんの巧みな言葉にだまされて、定価と変わらない商品をお得だと思って買ってしまった。これぞ、朝三暮四である。
- 私の妹は、私が「夕食後にケーキを一緒に食べよう」と誘ったら嫌がったが、「じゃあ今ケーキを一緒に食べよう」と言ったらとても喜んだ。このようなことを朝三暮四というのかと思った。
- 注意力、判断力が低下すると、朝三暮四の状況になりやすい。だから、私はだまされないようにいつでも気をつけていようと思う。
- 朝三暮四がよくあることなのは、人間が自分にとって魅力的なものに心を奪われてしまうからである。魅力的なものに心を奪われれば、正常な判断ができなくなってしまうのも、仕方のないことである。
まとめ
「朝三暮四」は、『列子』『荘子』にある寓話に基づいた四字熟語です。一度、「朝三暮四」のもとになったお話を読んでみると面白いと思います。猿にかぎらず、人間も、自分の好きなもの、自分にとって魅力的なものを手に入れたいと思った時、そのことにとらわれて、判断力が鈍り、その結果、だまされてしまう、まさに朝三暮四となってしまうことがあります。また、後先考えずに利益のために他人をだましてしまう人もいます。そのようなことを防ぐためには、私たちは朝三暮四を他人事と考えずに、「朝三暮四」という言葉とその意味を心に留めておいて、ふとした時にそれを思い出して、気をつけていかなくてはなりません。
昔々、遠い国に狙公(そこう)という人がいて、彼はたくさんの猿を飼っていたんだ。でもある日、猿たちに食べさせるトチの実が少なくなってきて、困ってしまったんだ。
だから狙公は、食べ物を少なくしなければならないけど、でも猿たちに怒られたくないと思ったんだ。だから彼は猿たちに「これからは朝にトチの実を3つ、夕方には4つあげるよ」と言ったんだ。でも猿たちがすごく怒ったんだよ。
そこで狙公は考えて、「じゃあ朝にトチの実を4つ、夕方には3つあげるよ」と言ったら、猿たちはすごく喜んだんだ。でも実はね、朝3つでも朝4つでも、1日であげるトチの実の数は変わらないんだよ。猿たちは、それに気づかなかったんだ。
だから「朝三暮四」って言葉は、見え方がちょっと変わるだけで全然違うように思えてしまうこと、あるいはそんな風に人をだますことを意味するんだよ。