出典:wiki(二十四史)
『魏書』は中国北斉の歴史家、魏収によって編纂された北魏の正史で、二十四史の一部を成す重要な史書です。本書は本紀14巻、列伝96巻、志20巻の合計130巻で構成され、北魏の歴史を詳細に語っています。
特筆すべき点として、北魏創建以前の拓跋部の記事が本紀冒頭に記載されていることや、北斉により編纂されたために東魏・北斉を正統として扱っていることが挙げられます。また、西魏や南朝の正統性は認められず、北斉の視点からの歴史として記述されています。
しかし、『魏書』はその公正性に疑問を投げかけられることも多く、特に敵国に対する否定的な記述が目立つとして「穢史」(汚れた歴史)とも評されています。それでもなお、北魏の歴史を詳細に記述した貴重な文献として、歴史研究の重要な資料となっています。