【四字熟語】
以杞包瓜
【読み方】
いきほうか
【意味】
高い位にいる者がへりくだって賢者を求めることのたとえ。
または、高位の人物が徳をもって、大衆を包み込むこと。
【語源・由来】
易経の天風姤(てんぷうこう)五爻
『杞(き)を以って瓜(うり)を包む 章(あや)を含む 天自(より)隕(おつること)有り』より
「杞」は行李柳(こりやなぎ)のこと。高い位にいる人物をたとえる。
「瓜」は植物の瓜。平民をたとえる。
行李柳で編んだ籠に、壊れやすい瓜をしまう。自分自身を誇らず、内側に包んでいれば、災難に遭わず、天の恵みを受けられるでしょう。
【典拠・出典】
『易経』
【類義語】
・草廬三顧(そうろさんこ)
【対義語】
・唯我独尊(ゆいがどくそん)
【英語訳】
・A man of great humility
・High-ranking people protect the general public
以杞包瓜(いきほうか)の使い方
新しい市長のあの態度は何だい!! 偉そうに!
本当よね。選挙の時とは態度が全く違うわね。
市長たるもの、以杞包瓜の精神で市民をまもってくれないと困るんだよな。
さもなければ、トップの座にはふさわしくない人物ということになるわね。
以杞包瓜(いきほうか)の例文
- あの教授は偉ぶらず、以杞包瓜の心で一般研究者にも分かりやすい説明をしてくれる。だから、研究がはかどるのだろうな。
- 江戸の町は乱れていた。将軍は以杞包瓜の気持ちで民衆と交わり、悪を撲滅。平和な町へと変えたのだった。
- 政治家たる者、以杞包瓜で民衆から学ばせてもらうのだ。その気持ちを忘れない限り、良い政治を続けることができる。
- 社長は会社のトイレ掃除まで時々するんだ。あれぞ、以杞包瓜。その姿を見て、社員みんなが今できることを自ずからやるようになったよ。
- あの先生は、校長が以杞包瓜して来てもらった、我が校の救世主なのだ。
まとめ
易経とは、中国の周の時代に作られた占いとその方法について書かれた書である。その占いの中にこの四字熟語がある。
易をたしなんでいる方にはなじみのある言葉であろう。
元々は現在や未来の状態がどうであるかを占う言葉であったが、その状態をたとえたものとしても使われるようだ。
偉ぶらず、おごらずに、自分のすべきことに目を向けていれば、自然に道はひらけるのだ。