【四字熟語】
一国一城
【読み方】
いっこくいちじょう
【意味】
一つの国と一つの城を示す。または、一つの国を領地とし、一つの城を所有すること。転じて、他からの指図や干渉を受けずに独立していること。
その一国一城を所有している者を「一国一城の主(あるじ)」と表現する。
【語源・由来】
江戸初期、徳川幕府は諸大名の軍事勢力を抑えるため、一国に一城だけを認め、他は破棄させた。これを「一国一城令(いっこくいちじょうれい)」という。
国の旧字体は國である。
【典拠・出典】
『別所長治記』
【類義語】
・独立独歩(どくりつどっぽ)
・独立自存(どくりつじそん)
・独立自全(どくりつじぜん)
・独立独行(どくりつどっこう)
・独立不撓(どくりつふとう)
【英語訳】
being independent
一国一城(いっこくいちじょう)の使い方
引っ越ししたんだって?
そうなんだ! 狭いけれどもやっと念願のマイホームを手に入れたよ!
家を建てたの! すごいじゃない!!
これで俺も晴れて一国一城の主というわけさ。
一国一城(いっこくいちじょう)の例文
- 脱サラを決意し、小さな会社を興した。一国一城の主となったこれからが正念場だ。
- 今はフリーターだが、いずれ時代劇作家として一国一城になる夢を持っている。
- この部屋が自分の一国一城の活動拠点です。
- 私を信じてついてきてくれた従業員のおかげで、なんとか不況を乗り切る事ができました。この町工場は私にとっての一国一城です。
- 会社での彼は上司の言いつけには愛想よく従うが、家では違うらしい。一国一城の主気取りで、奥さんや子供に用を言いつけ、自分は何もせず威張っているそうだ。
「別所長治記」より
今度の御合戦は一国一城の小せり合とは各別なり
今度の御合戦は一国一城の小せり合とは各別なり
「秀吉と利休/野上弥生子」より
これらの言葉は一国一城のあてかい状をもらったより、宗次にはうれしい。
まとめ
一国一城の主という使い方をする事が多い四字熟語だが、その一国一城の解釈の中には小さく控えめという意味も含まれている。
例文にもあるように、皮肉めいた使い方をされる事も多い。
しかしながら、自分の権限によりその一国一城を大きく強大にしていくという未来への可能性と決意のこもった使い方をするのがふさわしいのではないだろうか。
一国一城をどう成長させるかは自分次第というわけだ。