「一挙両得」の意味とは?(出典・類義語・対義語)
【四字熟語】
一挙両得
【読み方】
いっきょりょうとく
【意味】
一つの行動で二つの利益を得ること。また、少ない労力で多くの利益を得ること。
【典拠・出典】
『東観漢紀(とうかんかんき)』耿弇伝(こうえんでん)
【類義語】
・一挙両全(いっきょりょうぜん)
・一石二鳥(いっせきにちょう)
・一箭双雕(いっせんそうちょう)
・一挙両利(いっきょりょうり)
【対義語】
・一挙両失(いっきょりょうしつ)
【英語訳】
serving two ways
一挙両得をねらう aim to kill two birds with one stone./try to make something serve two purposes(ends).
「一挙両得」の故事・解説
【故事】
司馬錯という戦国時代の秦の将軍が、張儀という戦国時代の遊説家(戦国時代に諸侯などに策を提言し、それを生業とした人)と秦の恵王の前で次のような論争をしました。司馬錯は我が秦はまず蜀を攻めるべきだと主張し、一方遊説家の張儀は「蜀など攻めずに韓を攻めた方がよい」と言います。二人の提言を聞いた秦の恵王は、さらなる説明を二人に求めます。張儀は「まず魏と楚両国と親善関係を結び、そのあと韓を討ってそのまま周を脅迫し、秦が天下を取ったと名乗りをあげるべきです」と主張します。司馬錯はこれに対し「いやいや、まずは広大な蜀を手に入れて国力の増大を図る方が先です」と主張します。司馬はさらに「現在秦の土地はわずか、庶民は困窮しております。まずは簡単にできることから始めるべきでしょう。蜀は西の辺鄙なところにあり、ここを奪えば秦は領地が広がり、財も得られ、庶民を豊かにすることも可能です。軍をよくおさめ、庶民に害を与えなければ、蜀は我らに帰順するでしょう。そうすれば天下の人は我々を暴虐とか貪欲とか非難しないはずです。兵を一度動かすだけで名と利の両方が一挙に得られるのです」と王を説得します。恵王はそれを聞いて「良い意見である」と司馬錯の意見を取り入れ、まず蜀を攻めてこれを滅ぼします。
「一挙両得」の言葉の由来は、中国の戦国時代の話からきているんだよ。その話は秦の将軍、司馬錯と遊説家の張儀の間の論争に関連している。
司馬錯と張儀はどちらの国を先に攻めるべきかについて、秦の恵王の前で議論をしたんだ。司馬錯は蜀を先に攻めるべきだと言ったが、張儀は韓を先に攻めるべきだと主張した。
議論を聞いた恵王はもっと詳しい説明を求めた。それぞれの考えをさらに詳しく説明すると、司馬錯は「秦はまず蜀を攻めてその領土と富を手に入れ、国力を増やすべきだ」と主張した。そして、「これにより、一度の戦闘で名誉と利益の両方を得られる」と言った。これが「一挙両得」、つまり一つの行動で二つの利益を得るという意味だよ。
恵王は司馬錯の意見を聞き、それがいい考えだと思った。そして、蜀を攻めて成功した。その結果、秦は領土を広げ、国力を増やすことができた。これが「一挙両得」の由来の話だよ。
「一挙両得」の使い方
「一挙両得」の例文
- 旅行で知り合いになった人の家により、当地の産業を教えてもらい、まさに一挙両得であった。
- 健康診断の検査結果にいき、思わぬことに早期発見、一挙両得でした。
- 庭掃除のかたわら堆肥が作れるなら、一挙両得だ。
- 野菜の屑は生ゴミにださなくて、学校にもっていくとウサギの餌になる、一挙両得だ。
- 荷物運びのアルバイトをし、からだは鍛えられるしお金はもらえるし、一挙両得です。
まとめ
一挙両得(いっきょりょうとく)とは、普段の生活でよくつかわれる四字熟語で、仕事でも、スポーツでも、ひとつのことをふたつの利益を得ること。少ない労力で、多くの実を得ることのたとえであり、生活面では、外出に車を使わずにガソリン代の節約をして、健康にもよく一挙両得といえる。