【四字熟語】
閑花素琴
【読み方】
かんかそきん
【意味】
静かに美しく咲いた花と、装飾のない簡素な琴。
閑静な春の雰囲気を醸(かも)し出すもののたとえ。
【語源・由来】
「閑」は静か。「閑花」で静かに咲く花。
「素琴」は装飾のない琴。
【典拠・出典】
-
【類義語】
・春和景明(しゅんわけいめい)
・春日遅遅(しゅんじつちち)
【対義語】
・寒山枯木(かんざんこぼく)
【英語訳】
・A quiet, beautiful flower and a koto without ornament.
・A quiet spring atomosphere
閑花素琴(かんかそきん)の使い方
健太君、またあくび? 眠たそうね。昨日の夜、夜更かししてたんじゃないの?
夜更かしというか・・・。閑花素琴の風情を味わっていたら、眠るのがもったいなくなっちゃってね。
詩人のように言ったって無駄よ。健太君の場合は、春眠暁を覚えずでしょ?
ち、違うよ! 春の夜ののどかな雰囲気を楽しみたい時があるんだ。ともこちゃんには分からないだろうな。
閑花素琴(かんかそきん)の例文
- 厳しい冬の季節が過ぎ去り、私の家の庭や室内は閑花素琴の情緒で満ちみちた。
- 閑花素琴としたおだやかな季節となりました。
- 彼女はあまり目立たないが、閑花素琴な雰囲気で人々の心を和ませた。
- 騒々しい騒ぎから解放されて、閑花素琴の時間が訪れた。人々はその瞬間を何より待ち望んでいた。
- ざわついた教室の中で、一人静かに本を読んでいる。彼女には閑花素琴という言葉がよく似合う。
- 普段忙しくしていると、静かな場所でのんびりしたくなるものだ。木漏れ日あふれる高原の別荘地は閑花素琴で訪れると心が和む。
<虞美人草/夏目漱石>より
閑花素琴の春を司どる人の歌めく天(あめ)が下に住まずして、半滴の気韻(きいん)だに帯びざる野卑の言語を臚列(ろれつ)するとき、
閑花素琴の春を司どる人の歌めく天(あめ)が下に住まずして、半滴の気韻(きいん)だに帯びざる野卑の言語を臚列(ろれつ)するとき、
まとめ
清楚で楚々とした春の可憐な花達が咲き、華美ではなく上品で素朴な風が吹く。
閑花素琴とは、そんなのどかな光景をたとえた四字熟語である。
厳しかった冬が終わりを告げ、平和的な春の訪れを心待ちにしていた人々の気持ちがわかる。
静かで落ち着いた情景で一息つける時が欲しいのだろう。
また、そのような物や人にもたとえられる言葉である。