著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』を講談社より出版

換骨奪胎【かんこつだったい】の意味と使い方や例文(語源由来・出典・類義語・英語訳)

換骨奪胎

換骨奪胎の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)

意味

【四字熟語】
換骨奪胎

「換骨脱胎」とも書く。

【読み方】
かんこつだったい

【意味】
古人の詩文をもとに独自の作品を作ること。他人の詩文、また表現や着想などに創意工夫を加えて自分のものとして作り出すこと。

他人の作品の一部を変え新作に見せかける「焼き直し」の表現として批判的に使われるが、本来は誤用である。
四字熟語の博士
「換骨奪胎」という四字熟語は、古人の詩文やアイデアを基に、自分自身の独特な作品を創り出すことを示しているんだよ。
他人の作品やアイデアを借りて、その上に自分独自の創意工夫を加える、という意味も含まれているんだ。
助手ねこ
それは要するに、「人のいいアイデアをもとに、自分の新しい作品を作っていく」ってことやな。
他人のいい詩や考えを借りつつ、そこに自分の特別な工夫を足して、自分だけの作品にするんやな。
これは、「創造力と他人のアイデアをうまく組み合わせる大切さ」を教えてくれる言葉やな。

【語源・由来】
「換骨」は、骨を取り換える。「奪胎」は、胎盤を奪って自分のものとするという意味。「胎」は、子の宿るところ。

骨を取り換え、生まれかわらせることで、古人の詩や文の語や意味・表現・構成を換え、それに新しい思想などを加えて自分の作品とする。
「骨を換(か)え胎を奪う」と訓読みする。詩文を作る方法。

『然(しか)れどもその意を易(かえ)ずして、その語を造る、これを換骨法と謂(い)ひ、その意を規模(きぼ)して、これを形容する、これを奪胎法と謂ふ。』
そうであるが、その意味を換えないで、そのことばだけ作り換えるのを換骨法といい、その意味を手本として、それを言い表すのを奪胎法という。

【典拠・出典】
冷斎夜話』「一」

【類義語】
・点鉄成金(てんてつなりきん)
奪胎換骨(だったいかんこつ)
活剥生呑(かっぱくせいどん)

【英語訳】
・To the poems of others, and the expression and the conception are added, and it is created as my one.
・rewriting

換骨奪胎(かんこつだったい)の解説

カンタン!解説
解説

「換骨奪胎」っていう言葉は、他人が作った詩や文章の表現やアイデアを元に、自分だけのオリジナルな作品を作り上げることを指すんだ。ちょうど、骨を交換して胎盤を取り上げて自分のものにするようなイメージなんだよ。

「換骨」っていう言葉はもともと、普通の人の骨を取り除いて、仙人の骨に替えることを表していたんだ。一方、「奪胎」は胎盤を奪って再生させる、つまり新しく生まれ変わらせることを意味していた。これらは元々、道家の言葉で、人が修行を積むことで、根本から仙人に生まれ変わることを指していたんだ。

でも時間が経つにつれて、詩や文章を作る時に「換骨」は、古人の詩や文章の意味を変えずに、字句だけを変えること。「奪胎」は、古人の詩文の内容や主旨を取って、新しく作り直すことを指すようになったんだよ。

現代では、他人の作品の一部を利用しながらも、それに自分なりの創造性や新しさを加えて、自分だけの作品を作ることを「換骨奪胎」と言うんだ。「換」とは「取り替える」、「奪」は「取り上げる」っていう意味だから、「骨を取り替え、胎を取り上げる」って意味になるんだよ。

この言葉の出典は、『冷斎夜話れいさいやわ』という本にあるんだよ。

換骨奪胎(かんこつだったい)の使い方

ともこ
健太君、演劇発表会のシナリオ担当なんですって? どんな話になるの?
健太
昔話をもとにした恩返しストーリーさ。
ともこ
もうできたの? すごいわね。
健太
昔話を換骨奪胎して、現代風にアレンジしただけだからね。簡単さ。

換骨奪胎(かんこつだったい)の例文

例文
  1. この映画は『源氏物語』を換骨奪胎したものだ。
  2. この前提案して却下された案の換骨奪胎に成功して、新案が認められた。
  3. あの漫画家の作品は換骨奪胎ばかりで、オリジナリティが足りない。

<芭蕉雑記/芥川竜之介>より
こう云(い)う詩集などの表現法を換骨奪胎することは必(かならず)しも希(まれ)ではなかったらしい

換骨奪胎の文学作品などの用例

  1. こう云う詩集などの表現法を換骨奪胎することは必しもまれではなかったらしい<芥川竜之介芭蕉雑記>
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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