著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』を講談社より出版

曾母投杼【そうぼとうちょ】の意味と使い方や例文(語源由来・出典・類義語)

【四字熟語】
曾母投杼

【読み方】
そうぼとうちょ

「曾母、杼を投ず」とも読む。

【意味】
誤ったうわさも多くの人が口にしているうちに誰でも信じるようになるたとえ。

【語源・由来】
「曾母」は曾参の母のこと。曾参は春秋時代、魯の人で親孝行で知られ。「孝経」の作者ともいわれる。孔子の弟子。曾参が費という村にいたとき、同姓同名の人が人を殺した。曾参の母は「曾参が人を殺した」と告げられ、はじめは信じなかったが三人目が告げに来ると織りかけの機を投げて飛び出したという故事から。

【典拠・出典】
戦国策』「秦策」

【類義語】
曾参殺人(そうしんさつじん)
三人成虎(さんにんせいこ)
市虎三伝(しこさんでん)
聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)
浮石沈木(ふせきちんぼく)
・衆口鑠金(しゅうこうしゃくきん)

曾母投杼(そうぼとうちょ)の使い方

ともこ
健太くん。焦っているようね。どうしたの?
健太
明日、抜き打ちテストがあるって噂を聞いたんだ。
ともこ
ああ。曾母投杼というように、健太くんもあの噂を信じたのね。でもデマよ。
健太
そうなの?みんなが言っていると本当のように思えてくるから焦ってしまったよ。よかったあ。

曾母投杼(そうぼとうちょ)の例文

  1. 僕のうその誹謗中傷が広まり、曾母投杼というように、みんなそれを信じてしまいました。
  2. うわさは広まるスピードが速く、しかも曾母投杼、信じられやすいからこわい。
  3. 曾母投杼とならないように、それはうそなんだと火消をして回りました。
  4. 銀行が倒産するといううわさが拡散し、曾母投杼というように信じた人たちが殺到しました。
  5. 曾母投杼というように、アイドルの撮影が、今日ここであるといううわさを聞いた人たちが集まり、大騒ぎになってしまいました。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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