対牛弾琴【たいぎゅうだんきん】の意味と使い方や例文（出典・類義語）

対牛弾琴の意味（出典・類義語）

【四字熟語】
対牛弾琴

【読み方】
たいぎゅうだんきん

【意味】
牛に対して琴を弾いて聞かせる意から、何の効果もなく無駄なこと。愚かな人に深遠な道理を説いて聞かせること。せっかくの好意や努力が無駄に終わること。

「対牛弾琴」という四字熟語は、牛に琴を弾いても、それが音楽であるという認識が牛にはないように、理解できない人に対して高い理論を説いても、それが理解できないという意味だよ。

なるほど、つまり、「わかる人にしかわからん話を、わからん人にする」ってことか。
牛に琴の音を聞かせても、それが音楽だってわからんように、人も同じようなもんやな。
これは、「話す相手をちゃんと見極める大切さ」を教えてくれる言葉なんやで。

【典拠・出典】
牟融「理惑論」

【類義語】
・馬耳東風（ばじとうふう）
・対驢撫琴（たいろぶきん）

対牛弾琴（たいぎゅうだんきん）の解説

カンタン！解説

「対牛弾琴」っていうのは、ちょっと面白い表現なんだけど、直訳すると「牛に向かって琴を弾く」っていう意味なんだ。でも、考えてみて、牛が音楽を理解できると思う？ そんなわけないよね。だから、この言葉は、無駄なことや効果が出ないことを表すんだ。

例えば、説明が難しくて理解できない人に対して、難しい話をしても、その人が理解できないんだから、それは時間の無駄だよね。それを「対牛弾琴」と言うんだ。

あるいは、せっかく頑張って何かをしたのに、全く効果がなかった、つまり無駄になってしまったときも、「対牛弾琴」って言うことができるんだ。

この言葉は、牟融ぼうゆうという人が書いた「理惑論りわくろん」という本から来ているんだよ。でも、その詳細はまた今度教えるね。

対牛弾琴（たいぎゅうだんきん）の使い方

健太くん、野球部のキャプテンになったんだって？おめでとう！

ありがとう。でもいろいろ大変でさ。特に練習をサボる後輩に練習させるのがもう、ね

そんな人にいろいろ言っても対牛弾琴よ。放っておけば？

いやいや、そうはいかないよ。何か良いアイディアはないかな

対牛弾琴（たいぎゅうだんきん）の例文

1. 今年の新入社員は肝が座っているというか、ふてぶてしいというか、同じミスを繰り返すので何度も注意しているのだが、まったくなおらない。これでは対牛弾琴で、言うのも馬鹿馬鹿しくなってくる。
2. うちの担任の先生はとても気が弱くて、生徒から完全になめられている。クラスが授業中に騒がしい時に注意しても、対牛弾琴で、誰も耳をかそうとしない。
3. 無類のお酒好きであるうちの父は、先日の健康診断で肝臓が弱っていると忠告された。心配した母が酒量を減らすように言うのだが、まったく対牛弾琴で聞いてくれない。
4. うちの娘は朝に弱くて、いつも寝坊しては朝ごはんを抜いて学校に行く。体に悪いから、もう少し早く起きて朝ごはんを食べなさいと何度言っても対牛弾琴だ。
5. うちの大学は、工学部の入学試験に物理が入っていない。物理を学んでいない者に工学を教えても対牛弾琴だと主張しているのだが、一向に変わらない。