【四字熟語】
因機説法
「機に因りて法を説く」と訓読します。
【読み方】
いんきせっぽう
【意味】
その場に応じた説法を行い、真理を悟らせること。仏教の語。
【典拠・出典】
-
【類義語】
・因病下薬(いんぺいかやく)
・応機接物(おうきせつもつ)
・応病与薬(おうびょうよやく)
・善巧方便(ぜんぎょうほうべん)
・対症下薬(たいしょうかやく)
【英語訳】
・preach a sermon
・lecture
・admonish
因機説法(いんきせっぽう)の使い方
ありがたや、ありがたや・・・・・・
どうしたの? 随分神妙な様子だけど。
今しがた門主様にとてもためになる話を説いて頂いたんだ。
門主様の因機説法はまさに魔法よね、だって一遍であなたを神妙にしてしまうんだから。
因機説法(いんきせっぽう)の例文
- 草の根的な因機説法のおかげで彼の教えは徐々に農民にをたゆまず続けなければならないものなの広まっていった。
- あんたの因機説法にはもう飽き飽きしているんだ! もうたくさんだよ!
- 本当に自分の事を理解してもらいたいなら、君は因機説法を心がけるべきではなかったか。
- 難しい事を難しく言うのは簡単だが、聞き手に合わせて因機説法することこそ教師の力量と言えるのではないか。
- 彼の因機説法は心に染みたが、何よりその言動やふるまいも私は非常に感銘した。
まとめ
「因機説法」はもとは仏教の教えを相手の力量や立場に合わせて分かりやすく説明することにあります。人は生まれも育ちも千差万別、ものごとの理解にばらつきが生まれるのはしかたのないことかもしれません。そこで匙を投げることは簡単です。ただ伝えるためにどうしたらよいか、その人に深く理解してもらうためにはどうしたらよいかを考える姿勢もまた、「因機説法」に含まれるのでしょう。
相手の理解を得るためには、相手のことをよく知ることも大切。「因機説法」とは高みから教えるという態度ではなく、相手の立場に立って、相手の話す言葉で真理を伝える高度な技量を示しているのですね。