五里霧中の意味(故事・出典・類義語・英語訳)
【四字熟語】
五里霧中
【読み方】
ごりむちゅう
【意味】
物事の状況や手掛かりがつかめず、判断に迷うこと。事情がわからない中、手探りで行動すること。
霧が深いと前が見えへんから、どっちに進んでいいか迷うんやな。
これは、「どう行動すればいいか迷うときの感じ」を教えてくれる言葉なんやで。
【故事】
後漢の張楷という道士が、五里四方を霧で閉ざす「五里霧」という仙術を使った故事から。後漢(ごかん)の時代に張楷(ちょうかい)という人がいた。張楷(ちょうかい)という人は五里四方(ごりしほう)にわたる霧(きり)をおこす術を知っていた。世間に出るのをいやがる張楷(ちょうかい)は集まってくる人に会いたくないときには、この術を使って姿をかくしたという。もともとは、自分の姿をかくすものであったが、現在の意味のようにつかわれるようになった。(後漢書)
【典拠・出典】
『後漢書』「張楷伝」
【類義語】
・曖昧模糊(あいまいもこ)
・暗中模索(あんちゅうもさく)
・雲煙模糊(うんえんもこ)
【英語訳】
be in the dark
We’ve signed the contract, but we’re completely in the dark about how to begin.
五里霧中(ごりむちゅう)の解説・故事
「五里霧中」っていうのは、何がどうなっているのかさっぱりわからない、とっても困った状態のことを表すんだよ。
例えば、全く見当がつかない問題に直面して、どうすればいいのかわからないときとかね。
「五里霧中」って言葉は、文字通りには「五里も先の道が見えないくらい霧が深い中にいる」って意味だから、とっても混乱している様子を表しているんだ。
これは、「五里霧」っていう言葉から来ていて、「五里四方に立ち込める深い霧」のことを表しているんだ。だから、「五里霧中」は、ものすごく混乱していて何をどうすればいいのか全くわからない、そんな状況を指す言葉なんだよ。
ちなみに、この言葉の出どころは、「後漢書」っていう古い中国の歴史書から来ているんだよ。「五里霧中」の由来は、昔の中国の後漢の時代に張楷という人がいたことから来ているんだ。
張楷は特別な力を持っていて、彼の周りに大きな霧を発生させることができたんだ。これは五里四方に広がる大きな霧だったよ。張楷は人々と接するのを避けたがる性格だったから、たくさんの人が集まってくるときには、この霧を使って自分の姿を隠したんだ。
その話から、「五里霧中」は元々は「自分の姿を隠す」っていう意味だったんだけど、今は「何をすべきかわからない、迷っている」っていう意味で使われるようになったんだよ。
五里霧中(ごりむちゅう)の使い方
五里霧中(ごりむちゅう)の例文
- 重要参考人に崩せないアリバイがあることがわかり、捜査は五里霧中になってしまった。
- プロジェクトリーダーが病気でプロジェクトを離れたので、メンバーは五里霧中で何をすればいいかわからなくなった。
- このまま五里霧中状態が続くと、私たちのチームは決勝トーナメントに進むことができないだろう。
- 五里霧中で暗礁に乗り上げていた捜査も、重要な目撃情報のおかげで無事解決することができた。
- 大型ショッピングセンターで五里霧中のまま探したが、息子は迷子センターにいた。
五里霧中の文学作品などの用例
- 大抵の場合、どんな事件でも事の真相が自然にすうっと頭の中に浮かんで来る勘助であったが、こんど許りは一切が五里霧中であった。<井上靖・風林火山>
まるで霧に包まれてどの方向に進めばいいかわからない、という状態のたとえなんだ。