切歯扼腕の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【四字熟語】
切歯扼腕
【読み方】
せっしやくわん
【意味】
非常に怒り、悔しがること、悔しさに怒り狂うこと。憤慨し非常に残念がること。
困難に直面したときに、窮状を打開したくても、何らかの理由で手が出せないようすをいう。
たとえば、試合で負けてしまった時や、思い通りにならないことがあった時に、「う~ん、次は絶対にうまくいくぞ!」って強く思う時の気持ちを表してるんやな。
【語源・由来】
出典:史記 刺客列伝
『樊於期(はんおき)、偏袒搤捥(へんたんやくわん)し、進んで曰(い)はく、「此(こ)れ臣の日夜、歯を切り心を腐らせるなり、乃(すなわ)ち今教えを聞くを得たり」と。
遂(つい)に自ら剄(くびはね)ぬ。』
樊於期は片はだ脱いで腕をにぎりしめ、進み出て言うに、「これこそわたしが日夜、歯をくいしばり胸を打ってもだえたところ、いま教えを聞いてわが意を得た」と。
ついに自分で首をはねて死んだ。
【典拠・出典】
『史記』「張儀伝」
【類義語】
・残念無念(ざんねんむねん)
・切歯痛憤(せっしつうふん)
・切歯腐心(せっしふしん)
・偏袒扼腕(へんたんやくわん)
・切歯瞋目(せっししんもく)
【英語訳】
・gnash the teeth and grip the arms on the other arms ( in anger or regret)
・Very angry and chagrined.
・For The trouble clenching teeth and holding arms.
切歯扼腕(せっしやくわん)の解説
「切歯扼腕」という言葉は、すごく怒ったり、すごくくやしいと思うことを表すんだよ。
「切歯」ってのは、歯ぎしりすること、または、怒って歯をギリギリと食いしばることなんだ。「扼腕」ってのは、自分の腕をギュッと握りしめることだよ。だから、「切歯扼腕」とは、すごく怒って歯ぎしりしながら、腕をギュッと握りしめるほどくやしい、という感情を表しているんだ。
例えば、「出し抜かれたと知り切歯扼腕する」っていうと、誰かに先を越されて、それがすごくくやしくて、怒りで歯を食いしばって腕を握りしめる、っていう感じだね。
ちなみに、この言葉の出どころは、「史記」っていう歴史書の中の「張儀伝」っていう部分から来ているんだよ。
切歯扼腕(せっしやくわん)の使い方
切歯扼腕(せっしやくわん)の例文
- 高い木の上に登ってしまった子猫を助けたいが、枝が細すぎるので、
人々は切歯扼腕するばかりだった。 - 激闘の決勝戦、延長戦の末に負けてしまった選手達は涙をこらえ切歯扼腕していた。
- 先手をとられたことに、切歯扼腕するほかない。
たしかに英国の拡張主義者たちは切歯扼腕して、本国政府の決断のなさを憤慨したものである。
切歯扼腕の文学作品などの用例
- たしかに英国の拡張主義者たちは切歯扼腕して、本国政府の決断のなさを憤慨したものである。<陳舜臣・阿片戦争>
大切な試合で負けた時や、思うように物事が進まない時などに使われる表現なんだ。