二十四史
『南史』(なんし)は、中国の正史であり、二十四史の一つです。
この書は唐の李延寿により撰述され、高宗(649年~683年)の時に完成されました。元々は李大師が編纂を開始し、その子の李延寿が完成させました。
内容としては、南北朝時代(439年 – 589年)の南朝の国家、すなわち宋・斉・梁・陳の歴史が記されています。全体は80巻で構成され、その内訳は本紀10巻と列伝70巻です。
詔令や上奏文の多くは削除され、主に叙事に重点が置かれています。
そのため、総量としては『宋書』・『南斉書』・『梁書』・『陳書』の合計の半分ほどですが、これらの断代史には含まれていない記述も存在し、特に恩倖伝の増補などが顕著に見られます。
『南史』は、それまでの南朝北朝の歴史が自国中心的であったのを修正し、双方の歴史を対照的に整理して編集されたものとなっています。