【四字熟語】
我田引水
「我が田に水を引く」と訓読する。
【読み方】
がでんいんすい
【意味】
他人の思惑(おもわく)、不自由も顧みず、自分に都合がいいように言ったり、ものごとを行うこと。自分に好都合なようにとりはかう計略。物事や他人の言動を自分の利益になるように解釈し、論じる。
【語源・由来】
多少強引でも自分の田にだけ水を引き入れる、というのがもとの意味。
【典拠・出典】
-
【類義語】
・手前勝手(てまえがって)
・得手勝手(えてかって)
・勝手気儘(かってきまま)
・自画自賛(じがじさん)
・牽強付会(けんきょうふかい)
・牽強附会(けんきょうふかい)
・漱石枕流(そうせきちんりゅう)
【英語訳】
・drawing water for one’s own field
・selfish(自分本位、わがまま)
・self-serving(利己的)
我田引水(がでんいんすい)の使い方
何のために働いているのかって?結局、お金のため、自分のためでしょ?
そのためには、自分の仲間を利用してもいいっていうのかい?
あら、いけないの? 友達ごっこしているわけじゃないんだし。仲間より自分の利益が最優先でしょ?
そんな我田引水をしていたら、仲間は干上がって君に協力しなくなるだろう。そうなったら、君もおしまいなんだぜ。
我田引水(がでんいんすい)の例文
- どれだけ時間をかけて言い訳したって、我田引水の説明では、とうてい許すことができない。
- 彼のやり方は我田引水で、自分に都合の良いことばかり。これでは、共同事業者とは言えないよ。
- 我が社には他社にない技術力があります。我田引水と言われるかも知れませんが、この度の公共事業は全て当社にお任せ願えないでしょうか?
- 彼女の論文は、A教授との共同実験をもとに書かれているが、やや我田引水の傾向があるな。
【懶い春/尾崎一雄】より
それから、多賀直義の文体に、どっか、西鶴の面影がありゃしないか。それともこれは、俺の我田引水かな。
それから、多賀直義の文体に、どっか、西鶴の面影がありゃしないか。それともこれは、俺の我田引水かな。
【科学と文学/寺田寅彦】より
したがって往々はなはだしく手前勝手な我田引水と思われそうな所説のあることは、自分でも認められ
まとめ
自分の田にだけ水を引き入れ、他の田は干上がろうとどうでも良い。そんな自分勝手な利己主義をあらわした四字熟語である。
しかしながら、周囲の田畑が干上がれば、やがて自分の田畑も干上がってしまうだろう。そのように、世の中は全て協力し合って成り立っているのだ。