天網恢恢の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【四字熟語】
天網恢恢
【読み方】
てんもうかいかい
【意味】
天が張り巡らしている網は広く、目が粗いようだが、悪人や悪事は決して取り逃さないということ。
目の粗そうな網でも、結局は悪者は逃げられへんってわけやな。
これは、「悪事は絶対にバレる、だから正直に生きよう」って教えてくれる言葉やで。
【語源・由来】
天道は厳正であり、悪は早晩罰を受けるということで、悪事を戒める言葉。
「天網(てんもう)」とは、天が張り巡らせている網のこと。
「恢恢(かいかい)」とは、広く大きいこと。
「天網恢恢疎(そ)にして失わず」「天網恢恢疎にして漏らさず」の略。
【典拠・出典】
『老子』「七三章」
【類義語】
・天罰覿面(てんばつてきめん)
・天羅地網(てんらちもう)
・網目不疎(もうもくふそ)
・勧奨懲戒(かんしょうちょうかい)
・勧善懲悪(かんぜんちょうあく)
・懲悪勧善(ちょうあくかんぜん)
・破邪顕正(はじゃけんしょう)
・撥乱反正(はつらんはんせい)
【英語訳】
Heaven’s vengeance is slow but sure.
Heaven’s net is wide and coarse, yet nothing slips through.
天網恢恢(てんもうかいかい)の解説
「天網恢恢」っていうのは、天が作った網がとっても広くて、見た目はすき間が多そうだけど、悪い人や悪いことをする人は絶対に逃がさない、という意味だよ。天は公平で、悪いことをすると必ずいつかは罰が当たるんだ、という教えを示す言葉なんだ。
「恢恢」っていうのは、「広い」や「大きい」という意味だよ。だから、「天網恢恢」は天の網が広大で、誰も逃がさないというイメージを表しているんだ。
「天網恢恢疎にして失わず」や「天網恢恢疎にして漏らさず」っていう言葉は、「天網恢恢」の元になった言葉で、天の網は見た目は疎(すき間が広い)でも、一人も漏らさない、一人も取り逃がさない、という意味だよ。
この言葉の出どころは、『老子』という本の七三章だよ。これは中国の古代の思想家、老子が書いたもので、人々に悪いことをすると必ず報いがくると教えているんだよ。
天網恢恢(てんもうかいかい)の使い方
天網恢恢(てんもうかいかい)の例文
- 誰も見ていないといっても、天網恢恢ということを忘れてはいけない。
- 今は見つからないかもしれないけれど、天網恢恢なのだからいつかは必ず罰を受けるだろう。
- 絶対にばれない自信があったけれど、天網恢恢というように悪事を働くと罰を受けるものなのだな。
- 天網恢恢ということを心に留めておくことが大切だと、祖母に教えられた。
天網恢恢の文学作品などの用例
- 「おもしろい!なるほど。浴衣の片袖が無い!天も……何とやらで、何とかして漏さず……ですな。」弁者ハ此訛言を可笑がりて、「天網恢々疎にして漏さずかい。」<泉鏡花・義血侠血>
- 天誅も骨が折れるな。是で天網恢々疎にして洩らしちまったり、何かしちゃ、詰まらないぜ。〈夏目漱石・坊っちゃん〉
目が粗そうに見えるこの網でも、悪いことをした人は必ず露見し、報われるというイメージがあるんだよ。