著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』を講談社より出版

漱石枕流【そうせきちんりゅう】の意味と使い方や例文(語源由来・出典・類義語・英語訳)

漱石枕流

漱石枕流の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)

意味

【四字熟語】
漱石枕流

【読み方】
そうせきちんりゅう

【意味】
自分の失敗を認めずに、へりくつを並べて言い逃れをすること。
負け惜しみの強いこと。

四字熟語の博士
「漱石枕流」という四字熟語は、自分の間違いを直そうとしない、ちょっと頑固な態度を表しているんだよ。
何か指摘されても、それを受け入れずに無理な理由をつけるという意味が込められているんだ。
助手ねこ
つまり、「自分が間違ってるのに、それを認めずにむちゃくちゃな言い訳をする」ってことやな。
誤りを指摘されても、「いやいや、それはこういう理由があって…」ってな感じで、なかなか直そうとしないんやな。
これは、「頑固さ」を描いた言葉やで。

【語源・由来】
俗世を離れて山中に隠れ住んで自由に暮らすという「枕石漱流(ちんせきそうりゅう)」を誤ってできた言葉。
「石(いし)に漱(くちすす)ぎ流(なが)れに枕(まくら)す」と訓読される。

中国西普(しんせい)の孫楚(そんそ)は、「石に枕し流れに漱ぐ」と言うべきところを、「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまい、誤りを指摘されると、「石に漱ぐのは歯を磨くため、流れに枕するのは俗世でけがれた耳を洗うためだ」と、ごまかしたという故事が由来。
「世説新語(せせつしんご)」排調(はいちょう)より出典。

「夏目漱石(なつめそうせき)」の雅号「漱石」の由来とされる。

【典拠・出典】
晋書』「孫楚伝」

【類義語】
枕流漱石(ちんりゅうそうせき)
孫楚漱石(そんそそうせき)
牽強付会(けんきょうふかい)
指鹿為馬(しろくいば)
我田引水(がでんいんすい)

【英語訳】
a sore loser stubbornly refusing to admit being wrong and adhering to the far-fetched argument.

漱石枕流(そうせきちんりゅう)の解説

カンタン!解説
解説

「漱石枕流」っていうのは、自分が間違ってるのに、それを認めずにごまかすことを表すんだよ。要するに、「自分は間違ってないよ。だって、こういう理由があるんだもん」と言い訳を並べることさ。

ちょっと長いけど、「石にくちすすぎ流れに枕する」ともいうんだよ。これ、実は有名な作家の夏目漱石さんの名前の由来にもなってるんだ。

でも、もともとは、中国の歴史に登場する人、孫楚そんそっていう人が言ったことからきているんだ。孫楚さんは、「石で歯を磨き(漱ぐ)、川の流れで耳を洗う(枕する)」って言いたかったんだけど、間違えて「石で歯を磨き(漱ぐ)、川の流れに枕をする(枕する)」って言っちゃったんだよ。それを誰かに指摘された時に、孫楚さんは「石で歯を磨くのは、歯を磨くためだし、川の流れに枕をするのは、耳を洗うためだよ」と言ってごまかしたんだ。

だから、「漱石枕流」は、自分が間違えたことを認めずに、ごまかすことを表す言葉になっているんだよ。この話は、中国の歴史書「晋書しんじょ」に書かれてるよ。

漱石枕流(そうせきちんりゅう)の使い方

健太
ぼくは間違えてなんていないよ。
ともこ
健太くん、間違いは認めて直さなくてはいけないわ。
健太
いや、ともこちゃんが勘違いしたんだよ。ぼくはそんなこと言ってない。
ともこ
漱石枕流はやめなさい。

漱石枕流(そうせきちんりゅう)の例文

例文
  1. 彼は都合が悪くなると、漱石枕流をするから困ったものだ。
  2. 妹は口が達者なだけでなく、漱石枕流だから手に余る。
  3. 漱石枕流することは、人の成長の機会を奪ってしまうことになるよ。
  4. 漱石枕流なんてしていないよ。ぼくは本当のことを言っているだけさ。
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北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。元消防士で、現在は防災士として防災普及にも取り組む。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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