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愛別離苦【あいべつりく】の意味と使い方や例文(語源由来・出典・類義語・対義語・英語訳)

愛別離苦

愛別離苦の意味(語源由来・出典・類義語・対義語・英語訳)

意味

【四字熟語】
愛別離苦

【読み方】
あいべつりく

【意味】
親子・きょうだい・夫婦・友人など、大切な人と生き別れたり、死に別れたりする苦しみ。また、愛する人と一緒にいられない悲しみ。仏教の「八苦」の一つ。

四字熟語の博士
「愛別離苦」は、大切な人と離れなければならない苦しみを表す仏教の言葉だよ。親子や夫婦、友人など、愛する人と生き別れたり、死に別れたりする悲しみをいうんだ。仏教で説かれる八つの苦しみ「八苦」の一つでもあるよ。
助手ねこ
ニャルほど……。大切な人が遠くへ引っ越して、なかなか会えなくなると寂しいんだニャ。オラ、亡くなった人との別れだけではなく、生きている人と離れて暮らす悲しみも「愛別離苦」なんだと分かったニャン。

【語源・由来】
「愛別離苦」は、「愛別離(愛するものと別れ、離れること)」と「苦(苦しみ)」に分けられる仏教語。「愛別」+「離苦」という区切りではない。愛する人や大切な存在と離れたり、共にいられなくなったりすることによる悲しみを表す。仏教では、人が避けられない苦しみを説く「八苦」の一つとされる。

【典拠・出典】
『大般涅槃経』(だいはつねはんぎょう)巻十二。愛別離苦について説かれている。

【類義語】
・牽衣頓足(けんいとんそく)
・生離死別(せいりしべつ)
・会者定離(えしゃじょうり)
・河梁之誼(かりょうのぎ)
・朝有紅顔(ちょうゆうこうがん)
・諸行無常(しょぎょうむじょう)

※「生離死別」は生き別れと死に別れを表す。「会者定離」は出会った者にはいつか別れが来るということ。「諸行無常」はあらゆるものが移り変わるという教えで、「愛別離苦」とは意味の中心が異なる。「牽衣頓足」や「河梁之誼」は別れを惜しむ様子や親しい人との別れに関わる表現。

【対義語】
・怨憎会苦(おんぞうえく)

※「怨憎会苦」は嫌いな相手と会わなければならない苦しみで、「愛別離苦」とは対照的な「八苦」の一つ。別れがなくなる幸福を表す言葉ではない。

【英語訳】
・the anguish of parting from one’s loved ones(愛する人との別れの苦しみ)
・the pain of separation from loved ones(大切な人と離れるつらさ)
・the suffering of being apart from loved ones(愛する人と一緒にいられない苦しみ)

英語例文
親しい友人が遠くへ引っ越し、彼は別れのつらさを感じた。
When his close friend moved far away, he felt the pain of separation.

愛別離苦(あいべつりく)の解説

カンタン!解説
解説

「愛別離苦」は、親やきょうだい、友人など、大切な人と別れるときのつらさや悲しみを表すよ。死に別れる場合だけでなく、引っ越しなどによって離れて暮らす場合にも使えるんだ。大切に思っているからこそ、別れが苦しく感じられるんだね。

仏教では、生まれる・老いる・病む・死ぬという「四苦」に、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦などを加えた「八苦」を説いているよ。愛別離苦は、その中の「愛する人と離れなければならない苦しみ」のことなんだ。

例えば「愛別離苦の悲しみ」といえば、大切な人と離れるときに感じる深い悲しみのこと。『大般涅槃経だいはつねはんぎょう』巻十二にも、愛するものとの別れの苦しみが説かれているんだ。単に仲のよい人と少し離れたというより、別れをつらく感じる気持ちが中心なんだよ。

愛別離苦(あいべつりく)の使い方

健太
ともこちゃん、来月、幼なじみが遠くの町へ引っ越すんだ。小さいころから一緒に遊んでいたんだよ。
ともこ
遠くに引っ越すの? なかなか会えなくなると寂しいわね。
健太
うん……。最後に会える日が近づくと、胸が苦しくなるんだ。
ともこ
大切な人と離れるつらさは、まさに愛別離苦ね。お別れする前に、思い出を手紙に書いて渡してみない?

愛別離苦(あいべつりく)の例文

例文
  1. 転校する親友を見送ったとき、彼は愛別離苦のつらさを初めて実感した。
  2. 長く連れ添った夫を亡くした女性は、愛別離苦の深い悲しみの中にいた。
  3. 戦争によって家族と離れ離れになった主人公の愛別離苦が、小説の中に描かれている。
  4. 遠い国へ移り住んだ家族を思い、彼は愛別離苦の苦しみを感じていた。
  5. その映画は、離れて暮らす親子の愛別離苦を丁寧に描いた作品だった。

愛別離苦の文学作品などの用例

  1. 「君は帰るか恨めしやなうやれ」と云い、相愛の男女の愛別離苦をうたっているようである。<谷崎潤一郎・吉野葛>
  2. だが、山よ、出来得べくはなる丈け育てて呉れ。翁はこどもを山の方に捧げ、ひょこひょこひょこと三つお叩頭をして、置いて帰った。愛別離苦の悲しみと偉大なものに生命を賭ける壮烈な想いとで翁の腸は一ねじり捩れた。〈岡本かの子・富士〉
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北澤篤史サイト責任者
ことわざ・漢字熟語の専門家、ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』(共に講談社)がある。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。

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