【四字熟語】
寒山枯木
【読み方】
かんざんこぼく
【意味】
ものさびしい山と枯れた木々。冬枯れの厳(きび)しい風景をあらわした言葉。
【語源・由来】
「寒山」はひっそりとしてさびしい山。
「枯木」は枯れて、葉が見えない木。
【典拠・出典】
-
【類義語】
・秋風蕭条(しゅうふうしょうじょう)
・秋風落莫(しゅうふうらくばく)
・満目荒涼(まんもくこうりょう)
・満目蕭条(まんもくしょうじょう)
・満目蕭然(まんもくしょうぜん)
【対義語】
・閑花素琴(かんかそきん)
・春和景明(しゅんわけいめい)
・春日遅遅(しゅんじつちち)
・郁郁青青(いくいくせいせい)
【英語訳】
・Nothing is mountains and withered trees
・Nature’s harsh winter scenery
寒山枯木(かんざんこぼく)の使い方
冬の休暇はスキーかな。ともこちゃんはどこか行くのかい?
スキーかスノーボードを楽しみたいわ。
確か、去年はおじいさんの別荘に行ったんだよね。
ええ、でも今年は行かないわ。祖父の別荘の周りには寒山枯木があるだけで、何もないのよ。去年は退屈しちゃったから、今年はもっと賑やかな所に行きたいわ。
寒山枯木(かんざんこぼく)の例文
- 寒山枯木とした風景の中で、冷えきった体をどうやって暖めるか。そればかりを考えていた。
- 春は緑にあふれ、鳥の声と花の香りに満ち満ちるこの山だが、冬は寒山枯木になり険しい表情を見せる。
- 育毛治療を始めた。その過程を記録した日記のタイトルは「寒山枯木」だ。
- 寒山枯木とは言うが、私にとっては懐かしい故郷の景色なのだ。
- 寒山枯木の雪の上にはウサギの足跡が点々と続いていた。
<東海道五十三次/岡本かの子>より
屋根附きの中風薬の金看板なぞ見える小さな町だが、今までの寒山枯木に対して、血の通う人間に逢(あ)う歓びは覚える。
屋根附きの中風薬の金看板なぞ見える小さな町だが、今までの寒山枯木に対して、血の通う人間に逢(あ)う歓びは覚える。
まとめ
雪であたり一面が白く、木々は枯れはて、そこに立ちつくすのみ。
そんな山の風景をあらわした四字熟語である。
気温が下がり、植物が枯れた山では、生命の痕跡を探すのも難しい。
生きているものは雪が融けるまで眠り、春の訪れを待っている。
そう、冬山は命をつなぐ白いゆりかごのようなものなのだ。
そう考えると、寒山枯木も寂しくは見えなくなってくる。