『礼記』(らいき)は儒教の経書の一つで、「経書」の中でも最も基本的な文献とされる。それは、戦国時代から前漢初期にかけての礼学関連の記録を集めたもので、全49篇から成り立っています。この経典は『周礼』『儀礼』と並び、「三礼」と称される重要な経典群の一つです。
礼記という名前の意味は、礼に関する注記や注釈を指し、それに関する論議や議論の集積を示しています。その内容は多岐にわたり、政治、学術、習俗、倫理などの分野に及ぶ記録が雑然と収められています。
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この『礼記』は、前漢の学者・戴聖によって編纂されたものですが、彼の伯父である戴徳も『礼記』を編纂しており、それを『大戴礼記』と称します。戴聖の編纂したものを特に『小戴礼記』と呼ぶことがあります。
『礼記』は、その重要性から多くの学者によって注釈や解釈が付けられてきました。特に、後漢の鄭玄による注釈や、唐の孔穎達による『礼記正義』は非常に影響力がありました。また、宋代には、儒学者朱熹(朱子)が『礼記』から『大学』『中庸』の2篇を取り出し、それを「四書」に加え、さらに重要な経典として位置付けました。
総じて、『礼記』は儒教思想や中国の学問・文化において中心的な役割を果たしてきた経典であり、その内容や影響は非常に大きいものとなっています。