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出典:春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)の四字熟語一覧

春秋左氏伝

出典:wiki

『春秋左氏伝』(しゅんじゅうさしでん)は、中国の古典文献の一つで、春秋三伝(『春秋公羊伝』『春秋穀梁伝』と共に)の中の一つです。

『春秋左氏伝』に対して西晋の杜預が附した注釈である『春秋経伝集解』の冒頭。

『春秋左氏伝』に対して西晋の杜預が附した注釈である『春秋経伝集解』の冒頭。

この書は、孔子の編纂と伝えられる歴史書『春秋』の注釈書として知られ、紀元前700年頃から約250年間の魯国の歴史を記述しています。

伝統的には、『左伝』の著者として、孔子と同時代の魯の太史、左丘明(さきゆうめい)の名が挙げられてきました。しかしこれは伝説とされ、真実性には議論があります。実際には、前漢末期の劉歆(りゆうきん)の時代に、『左伝』が公に知られるようになりました。

『左伝』は、他の二つの伝と比べて史実をより忠実に伝えており、春秋時代の歴史を知る上で非常に重要な文献とされています。

特に、当時の戦争に関する記述は詳細で、他の注釈書『春秋公羊伝』や『春秋穀梁伝』とは異なり、必ずしも『春秋』の本文の注釈としての役割に限らず、独自の歴史的記録も含んでいます。

日本でも、『左伝』は古くから読まれ、その中からの故事や成語が今も使われています。福澤諭吉は、自著『福翁自伝』で『左伝』に関する熱い思いを述べています。

春秋学という分野では、『左伝』は歴史書としての位置付けが強く、特に宋代の儒学者朱熹は、「左伝は史学、公・穀は経学」と位置付けました。

春秋左氏伝

春秋左氏伝

総じて、『春秋左氏伝』は、中国古典文献としての価値のみならず、春秋時代の歴史を理解する上での貴重な手がかりとして今も評価されています。

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