出典:wiki(荘子)
荘子は紀元前369年頃から紀元前286年頃まで活動した中国の思想家で、彼の名前は彼の著作である『荘子』からも知られています。荘子は道教の始祖の一人とされており、彼の思想は無為自然、一切斉同、価値観や尺度の相対性を強く説くものとして特徴づけられます。
「無為自然」は、事物が自然の流れに従って行動するという考え方で、人間の人工的な干渉や操作を否定します。「一切斉同」は、すべてのものが本質的には同じであるという観念を指します。これらの考え方は、物事に固定した価値や意味を与えるのではなく、それらが状況や視点によって変わりうるとする相対性の理念につながります。
荘子の思想は、その著作『荘子』内の様々な寓話や説話を通じて展開されます。最も有名な説話は「胡蝶の夢」で、これは夢の中で蝶となり自由に飛び回る男が夢から覚めて人間に戻るという話です。この話は、我々が物事を認識する基準や自我の確固とした存在を問い直すという荘子の視点を象徴しています。
彼の思想は、政治や社会を離れた、自然と一体となり、自由に生きるという考え方に特徴づけられます。このような思想は、荘子が自身の自由を保つために楚の威王からの高官への招聘を断ったというエピソードからもうかがうことができます。