「た行」漢検5級の四字熟語一覧
大欲非道【たいよくひどう】
欲が深くて、慈悲人情のないこと。
大道不器【だいどうふき】
聖人のふみ行う大いなる道はごく限られたものしか盛ることのできない器とは違い、広く普遍的な作用を発揮できるものであるということ。
大信不約【たいしんふやく】
ほんとうの信頼関係はあらかじめ約束するような瑣末なものではない。
大死一番【だいしいちばん】
ここぞと意を決すること。死んだつもりで奮起するという意味。
体元居正【たいげんきょせい】
善を身につけて、正しい立場に身をおくこと。
大逆無道【たいぎゃくむどう】
道理や人の道をふみはずした行い。
大器小用【たいきしょうよう】
すぐれた才をもった人を使いこなせないたとえ。また、人材の用い方が不当なたとえ。大きい器を小さなことに使うという意味。大人物につまらない小さな仕事をさせること。
対岸火災【たいがんのかさい】
自分には関係のないできごとのたとえ。
大快人心【たいかいじんしん】
世間の人を痛快な気分にさせること。主として、悪人や悪事などが厳しく糾弾されたときに用いられる。「大いに人心を快くす」と訓読する.
大器晩成【たいきばんせい】
偉大な人物は、大成するまでに時間がかかること。大きな器は、作り上げるのに長い時間がかかるということ。スケールの大きな人は、若い頃はあまり目立たないけど、ある程度年をとっていくと、本来の力が発揮されて、最後には大物になるということをいう。
大義名分【たいぎめいぶん】
ある行動の正当な根拠、理由づけ、建前。やましくない口実のこと。
大同小異【だいどうしょうい】
細かい違いがあるが、ほぼ同じであること。
大月小月【たいげつしょうげつ】
大きい月と小さい月。大の月と小の月。
大同団結【だいどうだんけつ】
いくつかの団体・政党などが、共通の目的に向かって、小さな意見の違いを越えて一つにまとまること。
大所高所【たいしょこうしょ】
個々の細部にとらわれない大きな観点のこと。偏見や私情を捨てた広い視野をいう。
大山鳴動【たいざんめいどう】
騒ぎだけ大きくて、結果は意外に小さいことのたとえ。
多情仏心【たじょうぶっしん】
感情が豊かで移り気だが、薄情になれない性質のこと。
多事多難【たじたなん】
事件や災難、困難が多いこと。
多蔵厚亡【たぞうこうぼう】
欲深い者は人間関係をそこなって、やがてはすべてを失ってしまうということ。欲をおさえて足るを知ることがみずからを保つことにつながるという戒め。
達人大観【たつじんたいかん】
物事の道理に広く通じている人は、物事の全体を客観的に見渡すことができるということ。
他力本願【たりきほんがん】
自分の力でなく、他人の力によって望みをかなえようとすること。「本願」は仏が修行しているときに立てた誓い。本来は阿弥陀如来の本願によって極楽往生を得ること。
単刀直入【たんとうちょくにゅう】
前置きなしにすぐさま本題に入り。要点や核心を突くこと。
単純明快【たんじゅんめいかい】
複雑でなく分かりやすいさま。文章や話が分かりやすいさまをいう。
断章取義【だんしょうしゅぎ】
詩文の一節を取出し、全体の本意と関係なく、その一節の意味だけで用いること。また、自分の都合のよい引用をすること。
談論風発【だんろんふうはつ】
盛んに語り論ずること。
断編残簡【だんぺんざんかん】
一部が欠けて不完全な書き物。
知行合一【ちこうごういつ】
知識と行為は一体であるということ。本当の知は実践を伴わなければならないということ。
知小謀大【ちしょうぼうだい】
力もないのに大きなことを企てること。
置酒高会【ちしゅこうかい】
盛大に酒宴を催すこと。
知者楽水【ちしゃらくすい】
知恵のある人は、知が滞ることなく自由に働き、そのさまが水に似ているので、水を好んで楽しむということ。
知者不言【ちしゃふげん】
物事をほんとうに知っているものは言わないものだ。真に知るものはあえて言葉で説明しようとはしないものだ。
知足安分【ちそくあんぶん】
高望みをしないこと。自分の身分や境遇に応じ、分をこえて多くは望まないこと。
地平天成【ちへいてんせい】
世の中が平等で、万物が栄えること。また、地変や天災がなく、自然界が穏やかなこと。
治乱興亡【ちらんこうぼう】
世の中がよく治まることと、乱れて亡びること。
知略縦横【ちりゃくじゅうおう】
才知をはたらかせた計略を思いのままにあやつること。
着眼大局【ちゃくがんたいきょく】
ものごとを全体として大きくとらえること。
中通外直【ちゅうつうがいちょく】
君子の心と行動が広く正しいことのたとえ。
昼想夜夢【ちゅうそうやむ】
目が覚めている昼に思ったことを、夜に寝て夢見ること。
中秋名月【ちゅうしゅうのめいげつ】
陰暦八月十五日の夜の月。
忠孝両全【ちゅうこうりょうぜん】
君主に対する忠義と両親に対する孝行を二つとも全うすること。忠義と孝行は一致するもので両方同時に全うできるという考え。これとは逆に「忠ならんと欲すれば孝ならず」というように忠であろうとすれば不孝となるという考えもある。
忠言逆耳【ちゅうげんぎゃくじ】
忠告は聞きにくいものだが、自分にとって真にためになるものだということ。
忠君愛国【ちゅうくんあいこく】
君に忠節をつくし、国を愛すること。
頂門一針【ちょうもんのいっしん】
人の急所をつく適切な戒め。頂門(頭のいただき)に刺した一本の針。
長目飛耳【ちょうもくひじ】
広く情報を収集し、物事を深く鋭く判断すること。遠方のことをよく見る目とよく聞くことのできる耳。
頂天立地【ちょうてんりっち】
堂々として誰にも頼らず生きているさま。また、正々堂々として志の遠大なさま。
朝生暮死【ちょうせいぼし】
極めて短命なことのたとえ。朝生まれて夕方には死ぬという意味。
長生不死【ちょうせいふし】
長生きして死なない。長生きして衰えない。
朝三暮四【ちょうさんぼし】
目の前の違いに心を奪われて、結果が同じになることに気がつかないこと。また、ことば巧みに人をだますこと。
朝朝暮暮【ちょうちょうぼぼ】
毎朝毎晩。いつも。
直情径行【ちょくじょうけいこう】
周りの事などおかまいなしに、自分の感情のおもむくままに行動すること。
相手の気持ちや周りの状況を気にすることなく、自分の思うままに行動すること。
長生久視【ちょうせいきゅうし】
長生きをすること。
重見天日【ちょうけんてんじつ】
暗く苦しい状況から解放されて、以前の明るい状態に戻ること。
朝過夕改【ちょうかせきかい】
過ちを犯せばすぐに改めるたとえ。
朝改暮変【ちょうかいぼへん】
命令や法令がすぐに変わって定まらないこと。
長安日辺【ちょうあんにっぺん】
遠く離れた地のこと。また、才知に富んでいること。
朝雲暮雨【ちょううんぼう】
男女の情愛のこと。
提耳面命【ていじめんめい】
懇切に教え諭すことのたとえ。
適材適所【てきざいてきしょ】
能力に適した地位や任務につけること。
適者生存【てきしゃせいぞん】
生物は、環境に最も適応できる生物だけが生き残り、適していないものは滅びるということ。
鉄樹開花【てつじゅかいか】
物事の見込みがないこと。
鉄腸石心【てっちょうせきしん】
強い精神、堅い意志のたとえ。
鉄心石腸【てっしんせきちょう】
鉄や石のように強固な意志と精神のこと。
手練手管【てれんてくだ】
思うままに人をあやつってだます方法や技術のこと。
あの手この手と、巧みに人をだます方法や手段のこと。
天姿国色【てんしこくしょく】
生まれながらの絶世の美人をいう。
伝家宝刀【でんかのほうとう】
いざという時以外にはめったに使わない、とっておきの物や手段。代々家宝として伝わっている名刀。
天孫降臨【てんそんこうりん】
記紀(古事記と日本書紀)の神話の中で、孫の瓊瓊杵尊が天照大神の命を受けて高天原から日向国の高千穂に天降ったこと。
天馬行空【てんばこうくう】
考え方や行動が何ものにも拘束されず自由奔放なこと。文章や書の勢いがすぐれているさま。
田夫野老【でんぷやろう】
ふるまいが粗野で教養のない人。
天門登八【てんもんとうはち】
仕官して、その頂点に近づけばかえって自分の身を危うくすることのたとえ。
天理人欲【てんりじんよく】
天の条理と人の欲望。人にある天然の本性と欲望。
顛委勢峻【てんいせいしゅん】
水源も末流もその勢いが激しく盛んなこと。
電光石火【でんこうせっか】
非常に短い時間や行動が敏速に行われるたとえ。
動作やふるまいが非常にすばやいこと。
天変地異【てんぺんちい】
自然界に起こる異変、台風・地震・洪水など。変わった出来事のこと。
天地無用【てんちむよう】
破損するおそれがあるため、荷物の上下を逆さまに扱ってはいけないということ。
天長地久【てんちょうちきゅう】
天地の存在が永久であるように、物事がいつまでも続くことのたとえ。
田夫野人【でんぷやじん】
教養がなく、礼儀を知らない粗野な人。
天地神明【てんちしんめい】
天と地のすべての神々のこと。
湯池鉄城【とうちてつじょう】
きわめて堅固なたとえ。
銅頭鉄額【どうとうてつがく】
きわめて勇猛なたとえ。
同仁一視【どうじんいっし】
差別することなくすべての人を見て愛すること。人や禽獣に区別なく接すること。
東行西走【とうこうせいそう】
忙しくあちこちと走りまわること。あちこちと奔走すること。
灯紅酒緑【とうこうしゅりょく】
歓楽と飽食のたとえ。また、繁華街・歓楽街のようす。
刀耕火種【とうこうかしゅ】
山林を伐採して、その後に山を焼いて種を植える。焼畑農耕をいう。
当機立断【とうきりつだん】
機会をとらえて、素早く決断すること。
同気相求【どうきそうきゅう】
同じ気性のものは互いに自然に求め合い、寄り集まるようになるということ。
堂下周屋【どうかのしゅうおく】
廊下のこと。
灯火可親【とうかかしん】
涼しい秋は、あかりの下で読書するのに適しているということ。初秋の好季節の形容。
冬夏青青【とうかせいせい】
かたく守って変わらない節操のこと。
同工異曲【どうこういきょく】
手法や技量が同じであっても、とらえ方、味わいや趣きは様々であること。また、違っているようで実は大体同じようなこと。
党利党略【とうりとうりゃく】
自分が属する政党や党派の利益と、そのためにめぐらす策略のこと。
東西古今【とうざいここん】
いつでもどこでも。
土階三等【どかいさんとう】
質素な住居のたとえ。
得意忘形【とくいぼうけい】
芸術などで精神をとって表面にあらわれた外形や形式を捨て忘れること。また、得意のあまり我を忘れること。
独立独歩【どくりつどっぽ】
人に頼らず自分の力で、自分の信じるとおりに進んでいくこと。
独断専行【どくだんせんこう】
独断(自分一人の考えで勝手に決めること)で勝手に事を行うこと。
独立自尊【どくりつじそん】
人に頼らずに何事も自分の力だけで行い、自らの人格の尊厳を保つこと。
得意満面【とくいまんめん】
いかにも自慢げな様子が顔中に満ちあふれること。得意でたまらないこと。
得意そうな気持ちが、顔じゅうに表れていること。得意げな顔つき。
事が思い通りに運び、誇らしさが顔全体に現れる様子。
特筆大書【とくひつたいしょ】
ことさら人目につくように、大きく書くこと。
人目につくように、特に強調すること。
読書三余【どくしょさんよ】
読書をするのに好都合な三つの余暇のこと。
徳高望重【とくこうぼうじゅう】
人徳があって、人々からの人望も厚いこと。
読書亡羊【どくしょぼうよう】
羊の放牧中、本を読んでいて番を怠けたため、羊に逃げられてしまった意。転じて、他のことに熱中しすぎて肝心な仕事をおろそかにすることのたとえ。