出典:wiki(漢書:宋刻本)
『漢書』は、中国の後漢時代の章帝の時に班固とその妹の班昭らによって編纂された歴史書で、前漢の歴史について記述しています。二十四史の一つであり、全100巻から成る紀伝体の書物で、「本紀」12巻、「列伝」70巻、「表」8巻、「志」10巻が含まれます。
出典:wiki(二十四史)
『漢書』は、中国で初めて特定の王朝、つまり漢王朝に焦点を当てて書かれた歴史書(断代史)として知られています。これは後の正史編纂の規範となりました。
この書物は『史記』と共に、二十四史の中の最も重要な二つの歴史書とされ、その詳細さと精度から、元号の出典に多く用いられました。『史記』と同じ時期の歴史を多く記述しているため、『史記』と比較されることが多いです。『漢書』はあくまで歴史の記録に重点を置き、そのため物語的な面白さに欠けるかもしれませんが、その代わり詔や上奏文を直接引用しており、その正確さでは『史記』を上回っています。
また、思想的には儒教の視点で統一されており、道徳的な教訓を重視しています。しかし、これが硬直化した形となって現れているとも評されています。
『漢書』の制作は、班彪が司馬遷の『史記』の続編として始め、その子の班固が『史記』と未完の『後伝』を整理補充しました。その後、一部が未完のままであったため、班固の妹の班昭と馬続によって完成されました。