著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』を講談社より出版

漢検1級の四字熟語一覧と意味付き【漢字検定】

漢検1級

「た行」漢検1級の四字熟語一覧

大海撈針(たいかいろうしん)

ほとんど実現不可能なこと。


大廈高楼(たいかこうろう)

高い建物と大きな家。大きくて立派な家。


大廈棟梁(たいかのとうりょう)

国の重要な任務をになう人材のたとえ。


大衾長枕(たいきんちょうちん)

兄弟の仲むつまじいこと。また交情が親密なこと。大きな夜着と長いまくら。寝具。


大桀小桀(たいけつしょうけつ)

悪い為政者。残虐な暴君のことをいう。


太羹玄酒(たいこうげんしゅ)

規則のみにしばられた淡白で面白味のない文章のたとえ。守ることばかりの面白味のない文章のたとえ。「太羹」と「玄酒」。


対牀風雪(たいしょうふうせつ)

風雨の夜に友二人が寝台に寝、またはこしかけにすわって語りあかすこと。「牀」は寝台・こしかけ・ゆかのこと。


対牀夜雨(たいしょうやう)

蘇軾の詩より。夜、雨の音を聞きながら寝台を並べて、兄と弟が仲よく寝ることから。「牀」はねどこ・寝台のこと。「対牀」は寝台をならべる、連ねること。


頽堕委靡(たいだいび)

身体や気力などが、しだいにくずれおとろえること。


黛蓄膏渟(たいちくこうてい)

水面が非情に静かなさま。まゆずみをたくわえ、あぶらをたたえたような静かな水面という意味。


大貉小貉(たいばくしょうばく)

文化程度の低い野蛮人のような為政者のこと。


帯礪之誓(たいれいのちかい)


対驢撫琴(たいろぶきん)

愚かな者に物の道理を説いても役に立たないたとえ。


濯纓濯足(たくえいたくそく)

世のなりゆきに応じて進退すること。また、善行すれば尊ばれ、悪行をすれば卑しまれるということ。また世俗を超越すること。


多銭善賈(たせんぜんこ)

資材や条件が整っていれば成功しやすいということ。


箪食壺漿(たんしこしょう)

食べ物・飲み物を用意し、軍隊を歓迎すること。また広く、歓迎することをいう。「箪」は竹でできたわりご。「漿」は酒以外の飲み物。食べ物を竹の器に入れ、飲み物を壺に入れて歓迎すること。


貪夫徇財(たんぷじゅんざい)

欲深い者は、金のためなら何でもするということ。


探驪獲珠(たんりかくしゅ)

驪竜の顎の下を探って珠玉を手に入れる。転じて、危険を冒して大きな利益を得るたとえ。また、要領を得た素晴らしい文章を作ることのたとえとしても用いる。


湛盧之剣(たんろのけん)

静かに澄みきった黒い剣。


濁流滾滾(だくりゅうこんこん)

濁った水が盛んに流れるさま。


煖衣飽食(だんいほうしょく)


断鶴続鳧(だんかくぞくふ)

生まれつきの自然のあり方に手を加え損なうこと。


弾丸黒痣(だんがんこくし)

きわめて狭い土地のたとえ。


断薺画粥(だんせいかくしゅく)

貧乏に耐えて勉学に励むこと。


談天雕竜(だんてんちょうりょう)

弁論や文章の内容が広大かつ深遠で、また巧みなこと。転じて、広大ではあっても実用には役立たない無駄な議論や行為。
「談天」は、天を論ずること。「雕竜」は、竜を彫るようにみごとに文章を飾ること。「天を談じて竜を雕る」と読み下す。


断爛朝報(だんらんちょうほう)

きれぎれになって、続き具合のわからない朝廷の記録のこと。また、『春秋』をそしっていう語。


遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん)

いつまでも疑い迷って、決断せずにためらうこと。
「遅疑」はいつまでも疑って決心できないこと。「逡巡」はためらう、しりごみする、ぐずぐずすること。


池魚之殃(ちぎょのわざわい)


竹帛之功(ちくはくのこう)

歴史に名を残すような功績や手柄のこと。


竹苞松茂(ちくほうしょうも)

新築家屋の落成を祝う語。


蟄居屏息(ちっきょへいそく)

江戸時代、公家・武士に科した刑の一つ。家にこもって外出せず、息を殺して、おそれつつしむこと。


魑魅魍魎(ちみもうりょう)

様々な化け物。転じて、悪いことをたくらむ人物の例え。


中権後勁(ちゅうけんこうけい)

戦略・陳容ともに整っていること。


昼耕夜誦(ちゅうこうやしょう)

貧乏な生活のなかで勉学に励むこと。


誅心之法(ちゅうしんのほう)

実際の行為として現れなくても、心の中が正しくなければ、それを処罰する筆法。


疇昔之夜(ちゅうせきのよ)

昨夜。ゆうべ。


躊躇逡巡(ちゅうちょしゅんじゅん)

ためらって進まないこと。


綢繆未雨(ちゅうびゅうみう)

前もって準備をしてわざわいを防ぐこと。


仲連蹈海(ちゅうれんとうかい)

節操が清く高いたとえ。


黜陟幽明(ちゅっちょくゆうめい)

正しい基準に従って人材を評価すること。


超軼絶塵(ちょういつぜつじん)

非常に軽やかに速く走ること。


張王李趙(ちょうおうりちょう)

これといって取り柄のない平凡な人のこと。


重熙累洽(ちょうきるいこう)

光明を重ねて広く恩恵が行きわたること。代々の天子が賢明で、太平が長く続くこと。


長頸烏喙(ちょうけいうかい)

首が長く口がとがっていること。


朝憲紊乱(ちょうけんびんらん)

国家のおきてが乱れること。


懲羹吹膾(ちょうこうすいかい)


長江天塹(ちょうこうてんざん)

長江は天然の塹壕だということ。


朝耕暮耘(ちょうこうぼうん)

農耕に励むこと。


彫心鏤骨(ちょうしんるこつ)

身を削るような苦労をすること。苦心して詩文をつくること。


朝齏暮塩(ちょうせいぼえん)

極貧のたとえ。


冢中枯骨(ちょうちゅうここつ)

無能でとりえのない人のたとえ。


彫虫篆刻(ちょうちゅうてんこく)

取るに足りない小細工。虫の形や複雑な篆書の字を細かく刻みつけるように、文章を作るのに字句を美しく飾りたてること。


冢中枯骨(ちょうちゅうのここつ)

無能でとりえのない人のたとえ。


喋喋喃喃(ちょうちょうなんなん)

小声で親しげに話しあうさま。男女がむつまじげに語りあうさま。


糶糴斂散(ちょうてきれんさん)

豊作の年には政府が米を買い上げ、それを凶作の年に安く売ること。


嘲風哢月(ちょうふうろうげつ)

風や月を題材にして詩歌を作ること。


雕文刻鏤(ちょうぶんこくる)

文章中の字や句を美しく飾ること。模様を彫刻し、金銀をちりばめること。


跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)

悪人などがはびこり、我がもの顔に振る舞うこと。
世間から疎まれるような人たちが好き勝手に振舞い、横暴な態度をとること。


直往邁進(ちょくおうまいしん)

ただ一すじに突き進む。ためらわずに突き進むこと。


直截簡明(ちょくせつかんめい)

くどくどしくなくきっぱりしていること。また、そのさま。文章や人の性質などを評していう。


佇思停機(ちょしていき)

しばらくの間その場に立ち止まって、あれこれ思いなやみ、こころのはたらきをやめてしまうこと。


樗櫟散木(ちょれきさんぼく)

役に立たない人やもの。自己の謙称。


樗櫟之材(ちょれきのざい)

役に立たない人やもの。自己の謙称。


枕戈待旦(ちんかたいたん)

戦いの備えをおこたらないこと。


陳蔡之厄(ちんさいのやく)

旅の途中で災難にあうたとえ。


枕流漱石(ちんりゅうそうせき)

強情で負け惜しみの強いこと。また、うまくこじつけて言い逃れをすること。


墜茵落溷(ついいんらくこん)

人には運不運があるということ。


低徊趣味(ていかいしゅみ)

世俗を離れて、余裕ある心で自然や芸術にひたる態度。


棣鄂之情(ていがくのじょう)

兄弟が仲良くむつまじくする情。


渟膏湛碧(ていこうたんぺき)

水があぶらのように深く静かによどんで深緑色にたたえているさま。


低唱浅斟(ていしょうせんしん)

少々酒を飲んで小声で歌を口ずさむこと。


鼎鐺玉石(ていそうぎょくせき)

非常な贅沢をするたとえ。


廷諍面折(ていそうめんせつ)

面と向かって臆することなく争論すること。


剃頭辮髪(ていとうべんぱつ)

中国の周辺民族で行われた髪型。


擲果満車(てきかまんしゃ)

非常に人気があり評判がいいことのたとえ。また、非常な美少年のたとえ。


適楚北轅(てきそほくえん)

志と行動とが相反するたとえ。


鉄中錚錚(てっちゅうのそうそう)

凡人の中では少しすぐれているもののたとえ。金や銀に比べて価値の劣る鉄でも少し響きの美しいものという意味。


跌蕩放言(てっとうほうげん)

まわりの人をまったく気にしないでしゃべりちらすこと。ほしいままに放言すること。


轍乱旗靡(てつらんきび)

軍隊などが敗走する形容。


天威咫尺(てんいしせき)

天子の威光が眼前にあること。天子に近づき恐れ多いこと。


天宇地廬(てんうちろ)

天と地。天地。この世。


天顔咫尺(てんがんしせき)

天子(君主)のおそばに侍ること。


天空海闊(てんくうかいかつ)

心が広々としていて度量が大きく、なんのわだかまりもないこと。
また、言葉や発想などが限りなく広がることのたとえ。


天真爛漫(てんしんらんまん)

飾ることなく自然のままの姿があふれ出ている様子のこと。
明るく純真で無邪気なこと。


点睛開眼(てんせいかいがん)

物事の最も大切なところ。物事を完成するための最後の大切な仕上げ。


霑体塗足(てんたいとそく)

苦労して労働すること。


恬淡寡欲(てんたんかよく)

あっさりして欲の少ないこと。人の性格にいう。


椽大之筆(てんだいのふで)

重厚で堂々としたりっぱな文章。


天地開闢(てんちかいびゃく)

天地のはじまり。世界のはじまり。天地創造。


輾転反側(てんてんはんそく)

何度も寝返りをうつこと。


天罰覿面(てんばつてきめん)

悪事を働くと、その報いとしてすぐさま天が罰を下すこと。


顛沛流浪(てんぱいるろう)

つまずき倒れながらさまよい歩くこと。


典謨訓誥(てんぼくんこう)

聖人の教え。経典のこと。


天歩艱難(てんぽかんなん)

天の運行に支障が生じること。
転じて、時運に恵まれずに非常に苦労すること。


天門開闔(てんもんかいこう)

天の造化の門が開き閉じる。開くと万物が生成し、閉じると消滅することから、万物の生滅変化をいう。


泥首銜玉(でいしゅかんぎょく)

頭を土につけ、口に玉をふくむこと。謝罪降伏するときの儀式のこと。


蕩佚簡易(とういつかんい)

のんびりして自由なこと。寛大でやさしいこと。また、ほしいままでしまりのないこと。


桃花癸水(とうかきすい)

女性の月経をいう。つきのもの。つきのさわり。


韜光晦迹(とうこうかいせき)

高い境地に達した人が俗世を避けて人里はなれたところに居るという意味。


騰蛟起鳳(とうこうきほう)

才能が特別すぐれていること。


韜光晦迹(とうこうまいせき)

高い境地に達した人が俗世を避けて人里はなれたところに居るという意味。


桃弧棘矢(とうこきょくし)

災いをとりのぞくこと。


党錮之禍(とうこのわざわい)

政党や党派をつくることからおこるわざわい。


倒載干戈(とうさいかんか)

戦いがすんで平和になったことの形容。


桃傷李仆(とうしょうりふ)

兄弟が互いに争い、反目することのたとえ。


蹈常襲故(とうじょうしゅうこ)

今までのやり方を受け継いでそのとおりにしてゆくこと。


蹈節死義(とうせつしぎ)

節操を守り、正義のために命を捨てること。


冬扇夏鑪(とうせんかろ)

無用なもの。役に立たないもののたとえ。夏の火鉢と冬の扇のことで、時期はずれの無用なもの、役に立たない人物やもののたとえ。君主の信用や寵愛を失った者、また、恋人にすてられた女性という意味でも用いる。


頭童歯豁(とうどうしかつ)

年寄りの様子。老人のこと。または、年老いていくこと。


螳臂当車(とうひとうしゃ)

微弱な者が自分の力をかえりみず強者に立ち向かうたとえ。


橦末之伎(とうまつのぎ)

かるわざ。


桃李成蹊(とうりせいけい)

徳がある人のもとにはだまっていても自然に人が集まってくるということ。


螳螂之斧(とうろうのおの)

微弱な者が自分の力をかえりみずに強者に立ち向かうたとえ。


兎起鶻落(ときこつらく)

野うさぎが巣穴から素早く走り出したり、はやぶさが急降下して獲物を捕らえたりする様子。転じて、書画や文章の勢いがあることのたとえ。


兎起鳧挙(ときふきょ)

すばやいことのたとえ。


蠹居棊処(ときょきしょ)

いたるところに悪人がいることのたとえ。


得魚忘筌(とくぎょぼうせん)

魚を捕ってしまうと、その道具の筌のことなど忘れてしまうということ。転じて、目的を達すると、それまでに役立ったもの、手段を忘れてしまうことのたとえ。


得隴望蜀(とくろうぼうしょく)

人間の欲望には限りがないということ。


斗斛之禄(とこくのろく)

わずかな俸禄。


屠所之羊(としょのひつじ)

刻々と死に迫る人の命のはかなさ。また、悲しみにうち沈むたとえ。


咄嗟叱咤(とっさしった)

わめき叫びながら大声でしかること。


訥言敏行(とつげんびんこう)

人格者はたとえ口は重くても、実行は正しく敏速でありたいということ。


咄咄怪事(とつとつかいじ)

驚くほど意外で怪しい出来事。また、非常に都合が悪くよくないこと。


突怒偃蹇(とつどえんけん)

岩石がごつごつと突き出た様子を人が怒った姿、またおごり高ぶるさまにたとえたもの。


屠毒筆墨(とどくのひつぼく)

人を害しそこなう書物。


屠羊之肆(とようのし)

羊を殺してその肉を売る店のこと。


斗量帚掃(とりょうそうそう)

自分のことを謙遜していう語。また、人や者があり余るほどあること。


屠竜之技(とりょうのぎ)

学んでも実際には役立たない技術。


敦煌五竜(とんこうごりょう)

晋代に敦煌の人で太学(朝廷の大学)で名声のあった五人の称。索靖、索紒、索永、氾衷、張甝。


道揆法守(どうきほうしゅ)

道理をもって物事をはかり定め、法度をみずから守る。


同衾共枕(どうきんきょうちん)

同じしとねに枕を同じくして寝ること。主として男女が布団を同じくして睦まじく寝ることをいう。


恫疑虚喝(どうぎきょかつ)

心中ではびくびくしながら相手をおどすこと。


銅牆鉄壁(どうしょうてっぺき)

守りの堅固なことのたとえ。


同心戮力(どうしんりくりょく)

心を一つにして力を合わせ一致協力すること。


銅駝荊棘(どうだけいきょく)

国の滅亡を嘆くことのたとえ。


同袍同沢(どうほうどうたく)

苦労をともにする親密な友。また、戦友のこと。


瞠目結舌(どうもくけつぜつ)

驚いて呆然とすること。


独学孤陋(どくがくころう)

師匠や学問上の友もなく一人で学ぶと、見聞が狭くひとりよがりでかたくなになる。


独立不羈(どくりつふき)

他からの力に頼らず、他人に影響されず、他から束縛されずに行動すること。


独立不撓(どくりつふとう)

他人に頼らず自立して活動し、困難にあってもへこたれないこと。


弩張剣抜(どちょうけんばつ)

情勢が緊迫して今にも戦いがはじまりそうなたとえ。また、書道で筆力がはげしくて気迫がこもっているたとえ。


駑馬十駕(どばじゅうが)

才能のない者でも、たえず努力すれば才能のある人に肩を並べることができるということ。駑馬が十日間車をひいて走ること。


土崩魚爛(どほうぎょらん)

国や物事が崩れ壊れること。


呑刀刮腸(どんとうかっちょう)

心を入れ替えて善になることのたとえ。

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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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