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漢検準1級の四字熟語一覧と意味付き【漢字検定】

漢検準1級

「か行」漢検準1級の四字熟語一覧

会稽之恥(かいけいのはじ)

敗戦の恥辱。他人から受けたひどいはずかしめ。


改弦易轍(かいげんえきてつ)

法律や制度を改変すること。


回光返照(かいこうへんしょう)

自己を振り返り、反省して修行すること。死に際に息を吹き返すこと。


廻天之力(かいてんのちから)

天下の情勢を一変させるほどの大きな力。また、困難な状況を一変させるほどの大きな力。


開門揖盗(かいもんゆうとう)

みずから原因を作って災いを招くこと。「開門」は門を開けること。「揖」は会釈のことで、両手を前で組み合わせて上下し、前に押し出して行う中国式の礼をいい、「揖盗」は泥棒に会釈する意。わざわざ門を開けて、泥棒に会釈するということから。


魁塁之士(かいるいのし)

さかんでたくましい人のこと。


河漢之言(かかんのげん)

言葉が天の川のように果てしなくとりとめのないこと。また虚言(ほら)をいう。「河漢」は天にかかる天の川のこと。


花街柳巷(かがいりゅうこう)

酒色を供することを職業とする遊郭・色町のこと。「柳巷」は柳の木を並べて植えてある街路のこと。「花街」は花の咲いている街を指した。昔、色町には多く柳や花が植えられていたとも、艶めかしい遊女を柳や花にたとえたともいわれる。「花柳」は、この語の略。


下学之功(かがくのこう)

手近で初歩的なことから学んで、徐々に進歩向上してゆくこと。「下学」は手近で初歩的なことを学ぶ意。


赫赫明明(かくかくめいめい)

勢い良くハッキリと明るい様子。


革故鼎新(かくこていしん)

古い制度や習慣を改めて新しいものにすること。「革故」「鼎新」ともに、古い物事を改めること。革新の意。


鶴寿千歳(かくじゅせんざい)

長寿、長命のこと。鶴は千年の寿命を保つという意味。


廓然大公(かくぜんたいこう)

心になんのわだかまりもなく、少しの偏りもないこと。


廓然大悟(かくねんたいご)

疑いの心が晴れて確信すること。「廓然」は、心がからりと開けているさま。「大悟」は、至高の真理を悟ること。もとは仏教のことば。


鶴鳴之士(かくめいのし)

才能や能力があっても、世のために使われることなく、世間から認められていない賢者のこと。または、公職についていない賢者のこと。


鶴翼之囲(かくよくのかこみ)

左右に長く広がった陣形をめぐらすこと。


嘉言善行(かげんぜんこう)

よい言葉と、立派な行いのこと。


夏侯拾芥(かこうしゅうかい)

学問を修めるのが大切なこと。漢の夏侯勝が、学問を修めれば官職を得ることなど地面のごみを拾うように容易だと教えたことから。「拾芥」はごみを拾う意味で、物事のたやすいこと、得るのに容易なことのたとえ。夏侯勝は、太傅(天子の補佐役)となった経学者。


河山帯礪(かざんたいれい)

永久に変わらない堅い誓約のたとえ。また、国が永遠に栄え安泰であるたとえ。たとえ広い黄河が帯のように細くなり、高い泰山がすりへって砥石のように平らになるようなことがあっても、永久に変わることはない意から。「河」は黄河のこと。「山」は泰山の意。「礪」は砥石の意。


和氏之璧(かしのへき)

この世にめったにないほどの宝物のこと。


華燭之典(かしょくのてん)

結婚式のこと。
また、他人の結婚式の美称のこと。


禾黍油油(かしょゆうゆう)

物が勢いよくみごとに生長するさま。「禾」は稲、「黍」はキビのこと。「油油」は草などがつやつやとして勢いがよいさまをいう。


嘉辰令月(かしんれいげつ)

よき月、よき日ということ。
めでたい、縁起のいい日ということ。


加持祈祷(かじきとう)

一般に、病気・災難などをはらうために行う祈祷、または、その儀式。印を結び、真言を唱え、いくつかの象徴的器具を用いて行う。


確乎不抜(かっこふばつ)

信念や意志がしっかりしていて、物事に動じないこと。


活剥生呑(かっぱくせいどん)

他人の詩文などをそっくり盗用すること。また、他人の言葉や考えを鵜呑みにして受け売りするだけで、独自性・創造性のないことのたとえ。「生呑」は生きたまま丸のみすること。「活剥」は生きたまま皮などを剥ぎとること。


活溌溌地(かつはつはつち)

生き生きと活動すること。意気盛んで、何の心配事もないこと。「溌溌」は魚が勢いよく水の上にはねること。


過庭之訓(かていのおしえ)

父の教えのこと。また家庭での教育のこと。「訓」は教え、教訓。


瓜田李下(かでんりか)

人に疑われるような言動はつつしまなければいけないというたとえ。


河図洛書(かとらくしょ)

古代中国の伝説上の図と文様である「河図」と「洛書」の総称。


瓜剖豆分(かぼうとうぶん)

瓜や豆を割るように分裂・分割すること。


烏之雌雄(からすのしゆう)

是非や善悪が区別しにくく、判断しにくいこと。


河梁之吟(かりょうのぎん)

親しい人を送る時の別れがたい気持ちのこと。「河梁」は橋のこと。


迦陵頻伽(かりょうびんが)

声が美しいもののたとえ。とても美しい声で鳴くという想像上の鳥の名前。ヒマラヤ山中、あるいは極楽浄土にすむという。


閑雲野鶴(かんうんやかく)

何事にもとらわれず、のんびりと自然を楽しみながら暮らすこと。
悠々と自由に暮らす境遇。


韓海蘇潮(かんかいそちょう)

韓愈と蘇軾の文体を評した語のこと。唐の韓愈の文章は海のように広々としており、北宋の蘇軾の書いた文章は、潮のように力強い起伏があるということ。


寒巌枯木(かんがんこぼく)

世俗を超越して無心の境地にあること。枯れた木と冷たい岩のことで、禅宗では「枯木」「寒巖」を情念を滅却するもののたとえとしていう。


歓欣鼓舞(かんきんこぶ)

大喜びするたとえ。喜びきわまって手を打って舞う意。「鼓舞」は鼓を打って舞うこと。


干将莫邪(かんしょうばくや)

名剣のこと。


管中窺豹(かんちゅうきひょう)

見識の非常に狭いたとえ。管の穴から豹を見る意。一つの斑紋しか見えないことからいう。「管中より豹を窺う」とも読む。


汗馬之労(かんばのろう)

物事を成功させるためにあれこれ奔走する労苦のたとえ。


鎧袖一触(がいしゅういっしょく)

鎧の袖でちょっと相手に触れるくらいの力で、たやすく相手を倒すこと。


蓋世之才(がいせいのさい)

世を覆い尽くし圧倒するほど勇壮な才能、またそれほどの才能を持った人


咳唾成珠(がいだせいしゅ)

一つ一つの言葉、一言一句が珠のようにとても美しく、詩文の才能がきわめて豊かなこと。
また、権力者の言葉は一つ一つ、一言一句が敬意を払われるほど、権力や勢力が盛んな様子。


画虎類狗(がこるいく)

才能のない者が本物をまねても、似ているだけで実際は違うものになってしまうということ。「類」は似ること。絵の才能がないものが、虎の絵を描こうとして描いても、犬に似た絵になってしまうということから。「虎を画いて狗に類す」とも読む。


臥薪嘗胆(がしんしょうたん)

目的を達成するために機会を待ち、苦労を耐え忍ぶこと。


瓦釜雷鳴(がふらいめい)

賢者が相応の評価をされず、能力のない者が重要な地位について、いばることのたとえ。また、讒言が用いられるたとえ。


臥竜鳳雛(がりょうほうすう)

才能がありながら、機会に恵まれず、実力を発揮できないでいる者のたとえ。また、将来が期待される有望な若者のたとえ。


餓狼之口(がろうのくち)

非常に欲が強く、残忍な人のこと。


含飴弄孫(がんいろうそん)

老人が気楽に隠居生活をすること。「含飴」は飴をなめること、「弄孫」は孫とたわむれる意。飴をなめながら、孫と遊ぶことをいう。


含沙射影(がんしゃせきえい)

陰険な方法で人を害すること。「含沙」は、中国南部にすむいさご虫という怪虫で、砂を口に含んで人の影に吹きつけると、その人は高熱を出して死ぬという。「含沙影を射る」と読み下す。「射影」を「しゃえい」と読み誤らない。


眼中之釘(がんちゅうのくぎ)

自分に害をなすもののたとえ。邪魔者、いやなやつ、憎らしい人などのたとえ。眼の中の釘(目の中の障害物)の意から。類句として「眼中抜釘(眼中より釘を抜く)」があり、自分に害を与えるものを取り去る、害をなすものがいなくなる意。一般には邪魔者がいなくなったときに「眼中の釘が抜けたようでせいせいした」などと用いる。「釘」は「丁」とも書く。


機械之心(きかいのこころ)

偽りたくらむ心。策をめぐらす心。機械は巧妙な構造の器具。転じて、巧知。偽り。企み。


規矩準縄(きくじゅんじょう)

行動や物事の規準。法則。手本。規則。「規」は円を描くときに使うコンパス。「矩」は長さを測るための指矩のこと。「準」は水平を測るための水準器。「縄」は直線を引くための墨縄のこと。


棄甲曳兵(きこうえいへい)

戦いに敗れ、敗走すること。あわてて逃げる様さま。


規行矩歩(きこうくほ)

心や行動がきちんとして正しいこと。品行方正なこと。また、古いしきたりや決まりごとにとらわれて融通のきかないこと。「規」は円を描いたり、長さを移すことに用いる文房具のコンパスのこと。「矩」は長さを測るのに使われる工具の差し金のこと。どちらも規則や基準という意味。


気骨稜稜(きこつりょうりょう)

自分の信念を守って、貫き通そうとするさまのこと。「気骨」は自分の信念を曲げない強い気持ちのことで、「稜稜」は気性の厳しいさまのこと。


騎虎之勢(きこのいきおい)

物事にはずみがついて、途中でやめられないことのたとえ。


箕山之志(きざんのこころざし)

名利を捨て、俗世間から離れて暮らす、隠遁の志。


貴耳賤目(きじせんもく)

伝聞やうわさを軽々と信じて、実際に自分の目で見ているものを信じないこと。また、伝え聞いた遠くのことや過去のことは重んじるが、身近なことや現在のことは軽視すること。耳で伝え聞いたことは尊ぶが、実際に目で見たものは軽んじる意から。「耳を貴び目を賤しむ」とも読む。


机上之論(きじょうのろん)

理屈は整っているが、実際には全く役に立たない議論。「机上」は机の上。「論」は根拠がひとつもない理論のこと。


希世之雄(きせいのゆう)

世にもまれなこと。世間にめったにないほどすぐれていること。「希世」はとても珍しいこと。


貴賤上下(きせんじょうげ)

身分や階級、地位の高い人と低い人。また、転じて、ありとあらゆる人。


気息奄奄(きそくえんえん)

息も絶え絶えな様子。今にも死にそうな様子。また、物事が非常に苦しい状態にある様子。


吉日良辰(きちじつりょうしん)

日がらのよい日。特に仏教で、星宿の法により仏事を修すると、広大な福徳善根を得るという日。


吉祥悔過(きちじょうけか)

正月に、吉祥天を本尊として最勝王経を読み、罪過を懺悔するとともにその年の五穀豊穣を祈願する法会。


橘中之楽(きっちゅうのたのしみ)

囲碁や将棋の楽しみを言い表す言葉。「橘」はみかんのこと。


肌肉玉雪(きにくぎょくせつ)

若い女性や幼い子供の肌が、白玉や雪のように白くきれいであるとほめる言葉。


鬼斧神工(きふしんこう)

人間の技とは思えない、精巧でち密な工芸品や美術品のこと。


亀毛兎角(きもうとかく)

亀に毛が生え兎に角が生えるのは有り得ない事で、そのような異常事態が起こるのは戦乱の凶兆であるという意味から転じて、有り得ない事のたとえ。
仏教で、現実に存在しないもの、現実に存在しないものを存在するかの様に扱う愚かしさ、有って無い様なもの、曖昧な存在という意味。


客塵煩悩(きゃくじんぼんのう)

偶発的な汚れ。心を外から汚す煩悩のこと。「客」は外からやってきた客のこと。


汲汲忙忙(きゅうきゅうぼうぼう)

ものすごく忙しいこと。「汲汲」は休むことなく、働き続けること。「忙忙」は多忙なこと。


泣血漣如(きゅうけつれんじょ)

悲しさのあまり、血の涙を流すように激しく泣くこと。「泣血」は涙が出なくなり、血の涙を流すこと。「漣」は涙が流れること、「如」は様子や状態を表す助字。


九皐鳴鶴(きゅうこうのめいかく)

賢人は身を隠しても,その名声は広く世間に自然に知れ渡るということ。「九皐」は山の奥深い場所にある沼沢。山奥にある沼沢で美しい鳴き声の鶴が鳴くという意味から。


丘山之功(きゅうざんのこう)

偉大な功績を譬えて言った言葉。丘や山のように大きな功績の意味。丘や山のように大きな功績という意味から。小さな石や土を数多く積み重ねて出来た丘や山ということから、数多くの努力を積み重ねることをいう。


鳩首凝議(きゅうしゅぎょうぎ)

人々が集まり、額を寄せ合って熱心に相談すること。


窮鼠噛猫(きゅうそごうびょう)

弱者でも窮地に追い込まれれば、必死で強者に反撃するというたとえ。


九鼎大呂(きゅうていたいりょ)

貴重なもの、重い地位、名望などのたとえ。


旧套墨守(きゅうとうぼくしゅ)

古いしきたりや方法などを固く守ること。また、古いしきたりなどにとらわれて融通のきかないこと。


朽木糞土(きゅうぼくふんど)

朽ちた木は彫刻できず、腐った壁は塗りかえができない。精神のくさった人間は教育のしようがないことにいう。「朽木は雕るべからず、糞土の牆は檣はぬるべからず」を略した言葉。


僑軍孤進(きょうぐんこしん)

軍隊が援軍もなく、孤立して進軍すること。転じて、助けを得られず孤立して物事を行うことのたとえ。「僑軍」は別の土地からやってきた軍隊、遠征軍のこと。


教唆煽動(きょうさせんどう)

人を教えそそのかして、気持ちをあおりたて、実際にある行動を起こすように仕向けること。


彊食自愛(きょうしょくじあい)

つとめて食事を取って、からだを大事にすること。


曲学阿世(きょくがくあせい)

学問の真理にそむいて時代の好みにおもねり、世間に気に入られるような説を唱えること。真理を曲げて、世間や時勢に迎合する言動をすること。


曲肱之楽(きょくこうのたのしみ)

清貧に甘んじて学問に励み、正しい道を行う楽しみ。また、貧しさの中にある楽しみ。


旭日昇天(きょくじつしょうてん)

朝日が昇るように勢いの盛んなこと。「旭日」は朝に昇る太陽のこと。「昇天」は天に昇ること。「旭日昇天の勢い」などと使う。


曲眉豊頬(きょくびほうきょう)

美しい眉と、ふっくらとしたほお。美人の形容。


虚心坦懐(きょしんたんかい)

心に何のわだかまりもなくさっぱりして穏やかな様子。
「坦」は平らか。「坦懐」は、広く平らかな心。


許由巣父(きょゆうそうほ)

許由が潁水で耳のけがれを洗い落としているのを見た巣父が、そのような汚れた水は牛にも飲ませられないとして牛を連れて帰ったという、「荘子」逍遥遊・「史記」燕世家などにみえる故事。栄貴を忌み嫌うことのたとえ。また、その故事を描いた画題。


金烏玉兎(きんうぎょくと)

日月。太陽と月。「金烏」は太陽に棲むとされた3本足の烏、「玉兎」は太陰(月)に棲むとされた兎。歳月が早く過ぎ去っていくことを「烏兎怱怱」などと言う。


琴歌酒賦(きんかしゅふ)

世間離れした優雅な遊びのたとえ。また、名誉や私欲と縁のない隠者の生活のたとえ。


欣喜雀躍(きんきじゃくやく)

飛び跳ねるほど大喜びすること。雀が飛び跳ねように喜ぶこと。


禽困覆車(きんこんふくしゃ)

弱い者でも、窮地に立ち必死になれば、とてつもない力を発揮する事が出来る。


錦心繍口(きんしんしゅうこう)

詩文の才能にすぐれているたとえ。美しくすぐれた思いと言葉の意から。


禽獣草木(きんじゅうそうもく)

地に生けるすべてのもの。


巾箱之寵(きんそうのちょう)

箱に入れていつもそばに置き、離すことができないもののたとえ。


祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)


尭階三尺(ぎょうかいさんじゃく)

君子が慎ましく控えめな生活をすること。または質素な宮殿のこと。


尭鼓舜木(ぎょうこしゅんぼく)

為政者は人民の諫めの言葉をよく聞くべきことのたとえ。また、広く人の善言をよく聞き入れるべきことのたとえ。尭帝の設けた太鼓と舜帝の立てた木札の意から。


行住坐臥(ぎょうじゅうざが)

日常の振る舞いのこと。ふだん。つねづね。ふだんの立ち振る舞いの意。


尭年舜日(ぎょうねんしゅんじつ)

天下泰平の世の中であることのたとえ。


尭風舜雨(ぎょうふうしゅんう)

尭帝や舜帝のような聖天子の恵みが天下に行き渡っているのを風雨にたとえていう語。転じて、天下太平の世の意。


漁夫之利(ぎょふのり)

両者が譲らずに争っていると第三者が骨を折らずに利益を横取りしてしまうことのたとえ。「鷸」は水鳥のしぎ。「蚌」はどぶ貝のこと。


魚網鴻離(ぎょもうこうり)

求めるものが得られず、求めていないものが得られるたとえ。求めていたものとは違う意外なものが手に入るたとえ。魚を捕らえようと網を張ってあったのに鴻がかかる意から。


魚目燕石(ぎょもくえんせき)

よく似ているが本物とは違うもの。にせもの。または、偽物が本物の価値を落とすこと。
「燕石」は中国の燕山から出る宝石に似た石。


銀盃羽化(ぎんぱいうか)

盗難にあうことのたとえ。


区区之心(くくのこころ)

自分の考えや心のことを謙遜していう言葉。


苦肉之計(くにくのはかりごと)

苦しまぎれに考えついた手段や方法、策略のこと。


狗馬之心(くばのこころ)

目上の人に対する忠誠心、自分の誠意の謙称。


九品蓮台(くほんれんだい)

極楽浄土にある、蓮(はす)の葉でできた台。往生すればその上に生まれ出るという。九等の階位がある。


君子豹変(くんしひょうへん)

考えや態度を変えること。


君側之悪(くんそくのあく)

君主のそばに仕えている悪人のこと。また、ひそかに悪だくみを考えている側近の臣下。


求不得苦(ぐふとくく)

求めているものが得られない苦しみ。不老不死を求めても得られない苦しみのこと。
また、物質的な欲望が満たされない苦しみのこと。


群鶏一鶴(ぐんけいのいっかく)

多くの人の中で、特にすぐれている者。
何のとりえもない人々の中に一人だけ優れた人物が混じっていること。


群竜無首(ぐんりょうむしゅ)

人材は揃っているが、統率者になるほどの人がいず、物事がうまく行かないこと。


桂冠詩人(けいかんしじん)

イギリスで国王から任命され、王室のために慶弔に詩を作ることを義務とした詩人。現在は慶弔に詩を作ることは任意となり、終身年俸が与えられる。詩人としては最高の称号で、大変名誉なこととされる。「桂冠」は、「月桂冠」の略で、月桂樹の枝葉で作った冠のこと。古代ギリシアで英雄やすぐれた詩人に月桂冠を与えたことから。中世イタリアではペトラルカ、近世イギリスではワーズワース、テニアンらがこの称号を受けた。


傾危之士(けいきのし)

詭弁を弄して国を傾け、危うくする者のこと。また、危険人物のこと。


桂宮柏寝(けいきゅうはくしん)

桂の宮殿と柏の居室。美しい宮室のたとえ。「桂」「栢はいずれも香木の名。「寝」は居室、また表座敷。


鶏群一鶴(けいぐんのいっかく)

多くの凡人の中に、一人だけきわだってすぐれた人がいることのたとえ。


荊妻豚児(けいさいとんじ)

自分の妻子のことを謙遜していうことば。


荊山之玉(けいざんのぎょく)

優秀で賢い人のこと。


卿相雲客(けいしょううんかく)

公卿 (くぎょう) と殿上人 (てんじょうびと) 。昇殿を許された官人。


傾城傾国(けいせいけいこく)

絶世の美女のたとえ。また、日本では遊女のこと。 「傾城」は、城を傾けること。「傾国」は、国を傾けること。城を傾け、国を傾けるほどの魅力がある美女という意から。また、「傾城」は、慣用読みで「けいせい」と読み、「けいじょう」は誤り。出典の「一顧すれば人の城を傾け、再顧すれば人の国を傾く」による。


景星鳳凰(けいせいほうおう)

聖人や賢人が世に現れる兆しのこと。 「景星」は、めでたい星。「鳳凰」は、想像上の鳥。中国では古代から、聖天子が世に出ると現れるとされるもの。


蛍雪之功(けいせつのこう)

苦労して勉学に励むこと。


桂殿蘭宮(けいでんらんきゅう)

美しい宮殿のこと。


鶏皮鶴髪(けいひかくはつ)

老人のたとえ。また、年をとって容姿が衰えたさま。


繋風捕影(けいふうほえい)

雲をつかむようなとりとめなくあてにならないたとえ。風をつなぎとめ、影をつかまえる意で、とてもできないことをいう。


刑鞭蒲朽(けいべんほきゅう)

世の中が平和なたとえ。


鶏鳴之助(けいめいのたすけ)

内助の功のたとえ。もと国君に内助の功のある賢夫人があることをいう。


桂林一枝(けいりんのいっし)

人柄が立派ですぐれていることのたとえ。自分の出世を謙遜していうことば。


灰身滅智(けしんめっち)

身も心(智)も無にして悟りに達する境地をいう。小乗仏教の理想の境地。仏教の語。


結縄之政(けつじょうのまつりごと)

古代の政治のこと。


牽衣頓足(けんいとんそく)

非常につらい別れを惜しむことの形容。もと出征する兵士の家族が、兵士の服にすがり引き留め、足をばたばたさせて別れを悲しむ意から。


懸崖撒手(けんがいさっしゅ)

勇気をふるい、思いきって何かをすることのたとえ。


懸河之弁(けんがのべん)

よどみなく、ほとばしるような弁舌のこと。


牽強附会(けんきょうふかい)

自分の都合のいいように、強引に理屈をこじつけること。


剣戟森森(けんげきしんしん)

気性が人をぞっとさせるほど激しくきびしいさま。武器が多く並んでいて、 人をぞっとさせる意から。


捲土重来(けんどちょうらい)

一度敗れた者が、再び勢いを取り戻して巻き返すこと。


犬馬之歯(けんばのよわい)

自分の年齢の謙称。


犬馬之労(けんばのろう)

自分が主人や他人のために力を尽くして働くことを謙遜していう語。犬や馬ほどの働きという意から。


堅牢堅固(けんろうけんご)

守りが非常に堅く、容易に破られたり動じたりしないさま。また、堅くてじょうぶなさま。


懸腕枕腕(けんわんちんわん)

書道の腕法の一。ひじを脇から離し、腕を宙に浮かせるようにして字を書くこと。大きな字を書くのに適する。


撃壌之歌(げきじょうのうた)

天下泰平で、人々が平和で安楽な暮らしを楽しんでいることのたとえ。 「壌」は、地面のことで、「撃壌」は、地面を足で踏みならして拍子をとること。


月卿雲客(げっけいうんかく)

公卿や殿上人のこと。また、高位高官のこと。


元亨利貞(げんこうりてい)

易経で乾(けん)の卦(け)を説明する語。「元」を万物の始、善の長、「亨」を万物の長、「利」を万物の生育、「貞」を万物の成就と解し、天の四徳として春夏秋冬、仁礼義智に配する。


玄裳縞衣(げんしょうこうい)

つるの姿の形容。転じて、つるの異名。黒のはかまと白い上着の意から。


玄圃積玉(げんぽせきぎょく)

美しい文章のたとえ。


彦倫鶴怨(げんりんかくえん)

彦倫が北山から去り、俗人となっては、ツルも恨み悲しむだろうと、孔稚珪(こうちけい)が揶揄したこと。


挙一明三(こいちみょうさん)

賢くて理解が早いことのたとえ。


光陰如箭(こういんじょぜん)

月日のたつのが早いことのたとえ。


光焔万丈(こうえんばんじょう)

文章や議論に勢いがあり、素晴らしいことを意味する。


口角飛沫(こうかくひまつ)

口からつばを飛ばすほどの激しい議論。


膏火自煎(こうかじせん)

財産や才能などがあることで、かえって災いを招くたとえ。


鴻雁哀鳴(こうがんあいめい)

流浪の民が、その苦しさを訴えることのたとえ。


紅顔可憐(こうがんかれん)

時の流れが無常であることのたとえ。


光輝燦然(こうきさんぜん)

鮮やかに美しく光り輝くこと。


綱紀廃弛(こうきはいし)

国の法律や規則がきちんと守られないこと。また社会の規律や秩序が乱れること。


綱挙網疏(こうきょもうそ)

物事の根本をつかむことを大事にして、細かな事についてはこだわらないこと。また、大きな悪事の根本を追及することに専念して、小さな悪事は見逃すこと。


高軒寵過(こうけんちょうか)

貴人(身分の高い人)が訪ねてくること。


鴻鵠之志(こうこくのこころざし)

大人物の志(こころざし)、遠大な志のこと。また、小人物には大人物の志は理解できないことのたとえ。


後顧之憂(こうこのうれい)

立ち去ったあとの心配。残された者への気づかい。


黄裳元吉(こうしょうげんきつ)

忠誠を尽くす家臣が主家に仕えると、必ずよい結果をもたらすということ。


鉤心闘角(こうしんとうかく)

建物が高く並び立ち、びっしりと密集している形容。鉤形にそりかえった屋根が中心に集まり、角のような軒先が隣と争っているようなさま。また、注意して心を配ることのたとえとしても用いる。


口耳之学(こうじのがく)

他人から聞いた学問の内容を、自分でよく理解せずにそのまま人に伝える学問のたとえ。


鉤縄規矩(こうじょうきく)

物事や行為の標準・基準になるもののこと。物事の手本。 きまりのこと。


黄塵万丈(こうじんばんじょう)

強い風のために、土煙や砂ぼこりが空高くまで舞い上がるさま。


浩然之気(こうぜんのき)

何ものにもとらわれないのびのびとした気持ち。


宏大無辺(こうだいむへん)

果てがないように思われるほど広々としているさま。

孝悌忠信(こうていちゅうしん)

真心を尽くして、目上の人によく仕えること。


侯覇臥轍(こうはがてつ)

立派な人の留任を希望して引き留めること。


黄髪番番(こうはつはは)

白髪が黄色味をおびるようになった老人のこと。知識や経験の深い老人のことをいう言葉。


香美脆味(こうびぜいみ)

豪華で贅沢なすばらしい食事のこと。


紅粉青蛾(こうふんせいが)

美人のこと。また、美しい化粧。


高鳳漂麦(こうほうひょうばく)

学問に熱心なたとえ。


黄茅白葦(こうぼうはくい)

黄色のちがやと白のあし。やせた土地の形容。


孔明臥竜(こうめいがりょう)

まだ世に知られていないすぐれた人物のこと。


紅毛碧眼(こうもうへきがん)

西洋人のこと。


孔孟老荘(こうもうろうそう)

古代中国の四人の思想家、孔子、孟子、老子、荘子のことをいう。またその教え。


鴻門玉斗(こうもんのぎょくと)

漢の高祖劉邦が、鴻門で楚の項羽の家臣である范増に贈った玉製のひしゃくのこと。


衡陽雁断(こうようがんだん)

音信が絶えることのたとえ。


光禄池台(こうろくのちだい)

りっぱな邸宅のこと。


甲論乙駁(こうろんおつばく)

いろいろな意見が出たり、お互いがあれこれ主張して意見がまとまらないこと。


孤雲野鶴(こうんやかく)

世俗から遠ざかった隠者のたとえ。名利を捨て、世俗から遠ざかった生き方。


狐仮虎威(こかこい)

権力や権威のある者の威力を借りて、自分勝手に振る舞うたとえ。また、有力者の威力をかさに着て、勝手に振る舞う者のたとえ。「狐、虎の威を仮る」とも読み、「虎の威を借る狐」という形で使うことが多い言葉。


鵠面鳥形(こくめんちょうけい)

飢え疲れて痩せ衰えているさま。


股肱之臣(ここうのしん)

君主の手足となり補佐する大臣。また、そのような部下のこと。


狐死首丘(こししゅきゅう)

故郷を忘れないことのたとえ。また、物事の根本を忘れないことのたとえ。「狐死して丘に首す」とも読む。


古色蒼然(こしょくそうぜん)

ひどく古びた様子をいう言葉。いかにも古めかしいさま。また、古めかしく趣のある様。


胡孫入袋(こそんにゅうたい)

官職につくなどして自由を奪われるたとえ。また、自由にものごとができないたとえ。


胡蝶之夢(こちょうのゆめ)

夢か現実かはっきりわからないさま。また、人の世がはかないこと、人生がはかないことのたとえ。


国君含垢(こっくんがんこう)

君主が恥を忍ぶこと。また、君主たるものは臣下のあやまちなどは大目にみてやる度量が必要であるということのたとえ。


胡馬北風(こばほくふう)

故郷を懐かしむことのたとえ。また、望郷の念にかられること。


枯木寒巌(こぼくかんがん)

世俗に超然とした悟りの境地のたとえ。枯れた木と冷たい岩の意から。


枯木竜吟(こぼくりょうぎん)

苦境を脱して生を得るたとえ。また、生命力を回復するたとえ。


狐狸妖怪(こりようかい)

人を騙したり、恐れさせたりする悪事を働く怪しげな化け物のこと。または、こそこそと人知れず、人をだまして悪事を働くもののこと。


金剛不壊(こんごうふえ)

きわめて堅く、決して壊れないこと。または、非常に意志がかたく、決して変えないこと。


今昔之感(こんじゃくのかん)

今と昔を思い比べて、時世や境遇の大きな変化をしみじみと感じる気持ち。


剛毅果断(ごうきかだん)

意思が強く、物事を思い切ってやること。


剛毅直諒(ごうきちょくりょう)

意志が強く、正直で誠実なこと。また、そのさま。


五陰盛苦(ごおんじょうく)

人間の心身を形成する五つの要素から生じる苦痛のこと。


呉下阿蒙(ごかのあもう)

いっこうに進歩のない昔のままの人のこと。また、無学なもののたとえ。


五穀豊穣(ごこくほうじょう)

穀物が豊かに実ること。豊かに実ることを願っていうことが多い。


後生菩提(ごしょうぼだい)

来世に極楽往生して悟りをひらくこと。仏教の語。


五濁悪世(ごじょくあくせ)

末世。末法の世。五つの汚れに満ちた悪い世のこと。


梧鼠之技(ごそのぎ)

専門のないことのたとえ。多くの技があっても十分に熟達したものでなければ結局役に立つことがない、また、わざは多く持っているが、一つとして役立つ技能がないこと。


梧桐一葉(ごどういちよう)

物事が衰える兆しのこと。


欣求浄土(ごんぐじょうど)

死後、極楽浄土へ行けるよう願い求めること。極楽浄土に往生することを心から願い求めること。


言語道断(ごんごどうだん)

言葉では表せないほどのひどいこと。もってのほか。

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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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